2019年 ウェルズファーゴ選手権

恐怖の“グリーンマイル”へようこそ 500yd超の難関パー4

2019/05/02 07:34

クエイルホロークラブ 16番パー4(506yd)

グリーンマイルの入り口、16番パー4(Gary-Kellner-PGA-of-America-via-Getty-Images)

ノースカロライナ州シャーロットにあるクエイルホロークラブは、リゾート内に巨大なお屋敷が立ち並び、“名門中の名門”という雰囲気を醸します。「ウェルズファーゴ選手権」では過去にロリー・マキロイ(北アイルランド)やリッキー・ファウラーがPGAツアー初優勝を遂げ、2017年「全米プロ選手権」ではジャスティン・トーマスがメジャー初制覇。そして当時、松山英樹選手が惜しくも敗れたコースです。

難所は“グリーンマイル”の異名を持つ上がり3ホール。ツアーの中でも毎年難度の高い「連続する3ホール」として有名です。その入り口、16番を今回はピックアップしました。

ティショットは約7ydの打ち下ろし。全体傾斜は池に向かって下っていく

ティショットは第2打地点まで7ydほど、緩やかな打ち下ろしになりますが、南からアゲンストの風が吹くケースが多くなります。右サイドのフェアウェイバンカーは298ydで入り、越えるためには320yのキャリーが必要になります。このバンカーはアゴが高いうえに、砂質が軟らかく、グリーンを狙うのがとても難しくなります。ちなみに松山選手は「全米プロ」の最終日、このバンカーを越える1Wショットを見せました…。

このバンカーを避けようとして、左サイドにラインを取るのはあまり良い選択ではありません。フェアウェイは左に向かって下っており、315yd以上飛ばすと深いラフまで突き抜けて、レイアップを強いられることがほとんどでしょう。

セカンドショットはご覧の通りグリーン左から奥にかけて池がひろがります。グリーンは奥行きが40ydと大きく、200yd近い距離が残ります。ティショットが成功した後のフェアウェイのライは、つま先上がりで左足下がり。奥から手前に鋭く下るグリーンは、ロングパットを残すと非常に難しくなります。

左奥の段に狙っていくのは至難の業。青印は予想ピンプレース

クエイルホロークラブは2016年の「ウェルズファーゴ選手権」の後、アウトコースを改造し、バミューダ芝を張り替える大改修を行いました。コースの地下には「マスターズ」の会場オーガスタナショナルGCと同じように、湿った地面を乾かすサブエアシステムも搭載されており、距離が7554yd(パー71)と長いうえに、いつでもグリーンを硬く、速く仕上げてきます。

この16番、続く17番(パー3)、18番の3ホールで通算1オーバーなら上出来と言えるのではないでしょうか。上位選手のフィニッシュも、バーディではなく、パーを取る難しさをお楽しみください!(解説・進藤大典)

2019年 ウェルズファーゴ選手権