2022年 全米プロゴルフ選手権

【進藤大典キャディ解説】松山英樹、スピース…全米プロはハイレベルな一戦に

2022/05/17 19:56
2007年大会で勝利を手にしたタイガー・ウッズ(Montana Pritchard/The PGA of America via Getty Images)

メジャー第2戦「全米プロゴルフ選手権」が目前に迫ってきました。サザンヒルズCCは過去7回メジャーをホストし、2030年の全米プロの舞台にも決まっているオクラホマ州のプライベートコース。19年に改修を挟んでいますが、これまでのメジャーで最も優勝スコアが出た年でも94年にニック・プライス(ジンバブエ)が制した全米プロの通算11アンダー。タイガー・ウッズが制した前回07年大会もトータル8アンダーとタフなコースなのは間違いありません。

フィールドを見渡せば、世界ランキング上位の実力者が順当に調子を上げている印象で、ハイレベルな戦いが期待できそう。世界ランクの上位11人で今季優勝がないのは、コリン・モリカワジャスティン・トーマスしかいません。

練習ラウンドで調整する世界ランク1位のスコッティ・シェフラー(Cliff Hawkins/Getty Images)

勢いでいえば、やはり世界ナンバーワンのスコッティ・シェフラー。「マスターズ」に続くメジャー連勝がかかります。そのシェフラー以上に“流れ”が来ているのはジョーダン・スピースでしょうか。マスターズでは初の予選落ちを喫しましたが、翌週「RBCヘリテージ」で優勝。次の試合となった前週「AT&Tバイロン・ネルソン」も1打差2位に入りました。

ジャック・ニクラスとともに大会最多37度の出場を誇る故アーノルド・パーマーにとって最後の全米プロとなったのが、当地で行われた94年大会。メジャー7勝を挙げたキングのキャリアグランドスラムへの挑戦が終わりを告げた瞬間でもありました。そして、今回スピースが偉業へ挑むことになります。

メジャー未勝利のビッグネーム筆頭格、ザンダー・シャウフェレは前週最終日に11アンダー「61」をマークして乗り込んできました。

松山英樹※写真は2022年「AT&Tバイロン・ネルソン」

そのシャウフェレに迫る「62」で回り、自己最高となる1日10アンダーをマークした松山英樹選手。マスターズ以来の復帰戦ということを感じさせないプレーでした。72ホール目のイーグルにつなげた5Wのスーパーショットは昨年10月「ZOZOチャンピオンシップ」、今年1月「ソニーオープンinハワイ」の優勝を引き寄せたシーンとダブりました。1イーグル9バーディのパットの総距離は、およそ55フィート(約17m)。どれだけコンスタントにショットがピンに絡んでいたかが分かりますね。

全米プロは16、17年と2年続けてトップ5に入り、予選落ちが一度もありませんから、相性は悪くない大会です。初めてのコースだからこそ、持ち前のマネジメント力、チームとしての情報分析力が生かされていくはずです。

最後に忘れてはいけないのがウッズ。練習ラウンドの動画もチェックしましたが、1年2カ月ぶりの復帰戦だったマスターズのときよりも歩き方がスムーズになっているのが何よりの好材料。前回優勝した舞台とはいえ、オーガスタ以上に距離のあるコースで厳しい戦いも覚悟の上でしょう。必死のプレーを目に焼き付けたいと思います。(解説・進藤大典)

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