2020年 ウィンダム選手権

暑い! 長い! パー3 ティショットは5Wも

2020/08/13 08:18

セッジフィールドCC 12番パー3(235yd)

ショートホールです(Hunter Martin/Getty Images)

PGAツアーのレギュラーシーズンも、いよいよ最終戦です。舞台はとにかく暑いノースカロライナ州グリーンズボロ。カリフォルニア州での「全米プロゴルフ選手権」は連日気温15度前後の中でのプレーでしたから、3時間の時差も重なり、連戦の選手はタフさが求められます。飛距離が伸びてショットの番手も、ひと番手は変わるため、対応力が試されます。

2013年に松山英樹選手が主催者推薦で出場してノンメンバーからシード獲得を決めた、僕にとっても印象深い試合です。例年プレーオフ直前の試合ということでスキップするトップ選手も少なくない中、世界トップクラスの仲間入りを果たした翌年以降もコンスタントに参戦。ことしは見送りましたが、13年からの8シーズンで6回出場し、松山選手なりの方法で大会側への感謝を表現しています。

左右のバンカーも意外と深い

ピックアップするのは12番。235ydのとにかく長いパー3です。基本は南風で、右からの風やアゲンストが吹く時期。奥にピンが切られれば実測240ydに届くこともあり、ティショットはロングアイアンやユーティリティ、風次第で5Wを握らされる選手も出てきます。

2段グリーンの傾斜が非常に強いのも特徴です。段を上ってすぐのところに切られるピンに対して、同じ段に乗せられるか。手前の段からのパットは避けなければいけません。

選手を悩ませる強い傾斜ですが、発想次第で味方につけられるのもPGAツアーのセッティングの妙です。手前のピンに対して奥からの傾斜を使ってうまく戻すことができれば、バーディチャンスどころかホールインワンの可能性だってあります(もちろん簡単ではありませんが)。奥ピンにも、さらに奥の傾斜を使って攻める余地があるのも面白いところです。

厄介な傾斜を利用できるか

昨年大会はJ.T.ポストンが72ホールをボギーなしで優勝という、1974年「チューリッヒクラシック」のリー・トレビノ以来となる快挙を達成しました。伸ばし合い必至のコースとはいえ、ショットを曲げればバミューダ芝のラフに食われますから、必ずしも易しいというわけではありません。

ウェブ・シンプソンパトリック・リードキム・シウー(韓国)ら後にビッグタイトルを獲った選手たちが初優勝を飾った“登竜門”とでもいうべき一戦でもあります。メジャー「全米プロ」を制したコリン・モリカワのような、次のスター候補が生まれるのか注目です。(解説・進藤大典)

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