2020年 ザ・メモリアルトーナメント

最終日は池ポチャだった 2014年初Vの記憶

2020/07/16 08:35

ミュアフィールドビレッジGC 16番パー3(201yd)

2014年大会の最終日16番でティショットを池に落とした後、ドロップエリアからの松山英樹の3打目。ここから勝ちきる強さを見せた

PGAツアーが2週連続同じコースでトーナメントを開催するのは、1957年以来のことだそうです。新型コロナウイルスの感染拡大でまったく先の読めない状況下、ツアーも選手たちのためにあらゆる手段を講じています。

そんな異例のミュアフィールドビレッジGC2連戦の2試合目は「ザ・メモリアルトーナメント」。ジャック・ニクラスがホストを務める格式高い一戦です。

基本的に選手とキャディ、コーチ以外の練習場入場を禁じるなど、オーガスタナショナルに通じるコンセプトが随所に感じられます。キャディが白い上着を身にまとい、緑と白のコントラストが大会を彩るのも、「マスターズ」へのリスペクトをうかがわせます。

グリーンに食い込むような池がプレッシャーとなる

ニクラスが手掛けたこのコースは、丸山茂樹選手が「トップ10に入れたら、ゴルフの調子に自信が持てる」と話したほど難しく、力が試されるセッティングです。フェアウェイの幅こそ広いですが、曲げれば深いラフとガードバンカー、クリークの餌食ですから、ティショットにはかなりのプレッシャーがかかります。

特にショートホールは池が絡み、シビアなホールの連続。その分、うまく攻略できれば優勝に近づくことができます。12番が有名ですが、今回は16番を見ていきましょう。

やや打ち下ろしで、手前から左奥に向かって池が食い込んでいます。右からの南風が吹くことが多い時期でフォローかアゲンストか、それとも横風なのか、ジャッジに迷います。2014年の最終日は左奥ピン。横風と思ったら少しアゲンストに変わり、松山英樹選手のショットはわずかに届かず池に落ちてダブルボギー。優勝争いの最終盤で大ピンチとなりました。

右手前にピンが切られたときも使えるエリアが非常に狭い

横幅が10ydない手前にピンが切られたときも、精度の高いショットが必須。左は池ですから、ピンの右を狙うとなれば、5ydほどの幅しか残されていません。左奥に乗せるだけでは、尾根を上ってからピンに向かって下る繊細な距離感のパットを打つことになります。

先週の「ワークデイ・チャリティオープン」で4日間を通して最も難しかったホールが、この16番。特に平均スコア「3.318」の初日は池に近いサイドの左ピン、「3.265」の2日目が右手前ピンでした。パーで切り抜けた選手たちにも、ぜひテレビの前で拍手を送っていただければと思います。(解説・進藤大典)

2020年 ザ・メモリアルトーナメント