賞金王レースを池田勇太が“揺さぶる”!?
「週刊ゴルフダイジェスト」(2012年11月6日号)より
2012年の日本男子プロツアーも、残すところあと5戦。いよいよ賞金王レースが激しくなってきた。トップを走るのは今季3勝を挙げている藤田寛之。1億1750万円余を獲得している。その藤田を約2750万円差で追うのが谷口徹。先週のブリヂストンオープンでトップを走る藤田を最終ホールで大逆転し、この差まで詰め寄っている。
さらに続くのが、池田勇太だ。池田も藤田とは約2990万円差。残り5戦は賞金額の高いビッグトーナメントが続くだけに、逆転賞金王を狙える位置にいる。しかも池田は、夏の終わりからがぜん調子を上げ、フジサンケイクラシックから3戦連続2位となり、その勢いのままキヤノンオープンで優勝。これも含めて今季、参戦20試合のうち半分の10試合でベスト10入りしている。
昨年こそ体調に不安を抱えて伸び悩んだものの、ダンロップフェニックスで優勝した2010年のように、ツアー終盤に爆発して賞金を積み上げる可能性は十分。秋のトーナメントの“主役”といっても過言ではない存在だ。
「週刊ゴルフダイジェスト」の11月6日号では、その池田のスウィングをたっぷりと解説している。下半身を“揺さぶる”ようにダイナミックに使って体重移動をする彼のスウィングは、現在のツアー選手の中では実に個性的に見える。しかし、解説を担当した廣戸聡一氏によると、「池田プロは、その場でクルッと回転するだけの動きより、積極的に体重移動を使ったほうが自然」なのだという。
廣戸氏は横田真一プロとともに「ゴルファーには血液型のように、生まれつき備わった体の動かし方のタイプがある」という理論を展開している(ゴルフダイジェスト社刊書籍「あ・うんのゴルフ」に詳しい)が、池田が属する分類タイプの選手は、まさに大きく体重移動を使った2軸スウィングが向いていて、それが自分にとって気持ちのいい動きになるため、最もパフォーマンスが発揮できる、と解説している。
果たして、池田がそのパフォーマンスを十分に発揮して一気に賞金王まで駆け上るのか、それともアラフォー世代の星たちが逃げ切るのか。残り試合、ますます目が離せなくなった。