週刊GD

芹澤信雄が藤田寛之に教えた“稼げるスウィング”とは?

2013/03/08 12:00

「週刊ゴルフダイジェスト」(3月19日号)より

メジャーの舞台では揃いのウェアで“チーム”意識を高めた芹澤と藤田。今年はもっと晴れやかな2人の笑顔が見たい

43歳にして初の賞金王に輝き、中年の星といわれる藤田寛之。スポーツ選手としては体格もさほど大きくなく、飛距離が出るわけでもないのに、40歳をすぎて頂点に立てたのは、師匠・芹澤信雄の教えがあったからこそ。芹澤は、藤田にどんな教えを授けたのだろうか。週刊GDの特集から、「TEAM芹澤」の基本ともいうべき教えを紹介しよう。

「僕は若いころから飛ぶほうじゃなかったので、稼いでいる人がどういう球を打っているのかすごく研究してました。その答えがフェード。低くてラインの出るフェードは稼げる。これはもう絶対にそう」と芹澤。

「1番のポイントは緊張したときに曲がらないこと。これがフェードの強みです」

芹澤が教えるのは本番に強い“稼げるスィング”だ。

16年前、弟子入りしてきた藤田寛之にいったのも「稼ぎたいならフェードを打て」だった。

いまやフェードは藤田の代名詞だが、当時はジャンボ尾崎全盛の時代とあって、藤田も左サイドを止めてインサイドアウトでアッパーに振り抜き、ドローを打っていたという。

「フックは体の一部(腰の動きなど)を止めて打つから、飛ぶけどタイミングがズレるとチーピンになる。プリっと曲げたら恐くて次から打てなくなっちゃうんですよ。でもフェードはスウィング中、体の回転が止まらないから、緊張してもミスがでにくいんです」

藤田を賞金王に導いたのは、重圧がかかっても曲がらない芹澤直伝のパワーフェードだったというわけだ。

この教えは「TEAM芹澤」の中で常に徹底している。かつて研修生とのラウンドでチーピンを打った者に対して「あんなに言ったのに、緊張感がなさすぎる」と、その場から帰してしまったという逸話も。

4月には2度目のマスターズに挑む藤田。芹澤の教えを胸に、最高の舞台でどんなパフォーマンスを見せるか、期待したい。