2022年 ダッチオープン

「いま僕はココにいます」Vol.141 オランダ編

2022/05/26 11:16
地元のレジェンド、ユースト・ラウテンと。今週はオランダです

人は彼のことを“旅人ゴルファー”と呼ぶ。川村昌弘・28歳。2012年のプロデビューから活躍の場は日本だけでなく、ユーラシア大陸全土、そのまた海の向こうにも及ぶ。幼い頃から海外を旅することこそが夢で、キャリアで巡った国と地域の数は実に70に到達。キャディバッグとバックパックで世界を飛び回る渡り鳥の経路を追っていこう。

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プロゴルファーの川村昌弘です。
いま僕は、セルトーヘンボスにいます。

ベルギーからドイツ、オランダへのドライブです

ここはオランダ、首都アムステルダムからは南に約100kmのエリア。今週の欧州ツアー(DPワールドツアー)は「ダッチオープン」です。2週前のベルギーでの試合後、前週はドイツ・デュッセルドルフでオフを過ごし、レンタカーで移動してきました。国をまたぎましたが、道のりは2時間もかかりません。

デュッセルドルフは日本食が充実。お蕎麦もおいしい

オランダには以前、観光で足を運んだことがありましたが、トーナメントに出るのは今回が初めて。今年が2回目の開催となる会場、ベルナルデュスゴルフは噂通り、なかなか素晴らしいコースです。

オランダのベルナルデュスゴルフ。流行りをふんだんに取り入れた素晴らしいコースです

設計家のカイル・フィリップスさんのデザインで、2018年にオープンしたばかりとまさに“出来立てほやほや”。最近のトレンドがしっかり取り入れられていて、フェアウェイはフラットな地形の上に大きく、細かい傾斜を連続させています。

ウェイストエリアもたっぷり。会場のベルナルデュスゴルフ

バンカーの縁取りをギザギザにしたり、ウェイストエリアのような荒れ地を多くしたりと、クラシックなつくりに見せるのが最近の流行り。内陸にあるにもかかわらず、一見リンクスに来たような錯覚にも陥ります。1番のティイングエリアは、パッティンググリーンとつながっていて、こちらは米国の名門コースにもよくある趣向です。

パッティンググリーンの横からティオフ

個人的には先日のベルギーのような、本当に古い、伝統的なコースが好みですが、欧州でも中東でもゴルフ場が多くリニューアルされてきました。練習環境も充実してきて、ここもドライビングレンジが広大で、リアルなターゲットがたくさん設けられています。コース内には屋根付きの練習場や、パー3コースもあります。まさにプロゴルファーのためのクラブと表現しても言い過ぎではありません。

総距離は7425ydと長さもたっぷり。しっかりフェアウェイに打てれば、ボールがよく転がる芝質なので表示以上には感じられないとはいえ、アゲンストの風が吹けばもちろん大変。こんなにレベルの高いゴルフ場が、これから発展が進みそうな新興地域、周りにまだ建物がほとんどない土地に突然現れるのですから驚きです。

ホテルも真新しい

欧州ツアーでは目下、6月の「全米オープン」の出場権争いが進行中。2試合前の「英国マスターズ」からの計4試合でのポイントランク上位10人がメジャー切符を勝ち取ります。

さらに今週は上位3人が7月「全英オープン」に出られるとあって、注目度は普段以上。今年の会場、セントアンドリュースでの全英出場は僕にとっても子どもの頃からの目標です。とはいえ、急激に意気込んで気持ちが空回りしては元も子もありません。まずは上位争いを目指します。

来週はドイツ、次はスウェーデンへと飛びます
デュッセルドルフの街並み。日本人がとても多い地域です

2022年 ダッチオープン