「いま僕はココにいます」Vol.136 ケニア編
人は彼のことを“旅人ゴルファー”と呼ぶ。川村昌弘・28歳。2012年のプロデビューから活躍の場は日本だけでなく、ユーラシア大陸全土、そのまた海の向こうにも及ぶ。幼い頃から海外を旅することこそが夢で、キャリアで巡った国と地域の数は実に70に到達。キャディバッグとバックパックで世界を飛び回る渡り鳥の経路を追っていこう。
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プロゴルファーの川村昌弘です。
いま僕は、ナイロビにいます。
今週は「マジカル ケニアオープン」に出場します。前週のタイでのアジアンツアー「ロイヤルズカップ」から、主戦場の欧州ツアー(DPワールドツアー)に戻ってきました。バンコクからはカタールのドーハを経由してアフリカ入りです。
前回大会までのカレンCCから、今年は会場がムサイガGCに変更されました。どちらもナイロビの国際空港や国立公園、ダウンタウンからもほど近いエリアにあるクラシックコース。ムサイガGCはオープンして約100年が経つそうで、会場の至るところに「ホーム・オブ・ゴルフ」と記されており、ケニアのゴルフの歴史を語る上では外せません。
各ホールの両サイドに伸びる木々が高く、その隙間を打っていくプレーが求められます。狭いコースがキライな選手にとっては“地獄”のように感じるかもしれませんが、僕の好きなタイプ。カレンCCにも負けず劣らず高い戦略性を感じて、気持ち良くラウンドできます。
ケニアの方は基本的に明るく元気な人が多いように思います。人とすれ違うたびに、スワヒリ語で「ジャンボ!(こんにちは)」と声をかけていると、みなさんフレンドリーに接してくださいます。
ティイングエリアで冒頭の写真を撮影したときには、最初は僕ひとりだったのが、男性警備員が「僕も」、そして女性のセキュリティの方も「私も」加わることに(しかも真ん中!)。ちなみに、男性は背中にライフルを隠していますからね。「僕は日本人」と伝えたら、「最終日にプレゼントを持ってくる」なんて言ってたけど、ホントかなあ。
ケニアでは食事面の不安もありません。コメとイモが主食のようで、カレー系のおかずをはじめ、肉や魚、炒めた野菜など見た目で驚くようなものは少なく、意外とオーソドックス。宿泊しているホテルには中華料理店もありました。「ベジタブルセット」なるメニューは、野菜の春巻き(のようなもの)と、あんかけ野菜炒めに、ガーリック味のフライドライスのプレートで、お値段は980シリング。ケニアの通貨シリングは、日本の円とレートがほぼ同じ(1シリング=約1.01円)なので、約980円です。
ツアーが行われる他の国とひとつ違うのは、アスファルトで舗装されている道路に少々デコボコがあることでしょうか。今週はコースとの往復でレンタカーではなく、送迎用のバスを利用しています。食べ物も、コーヒーもおいしい、お店のサービスも良いケニア。好みのコースで頑張ります。