「いま僕はココにいます」Vol.135 タイ編
人は彼のことを“旅人ゴルファー”と呼ぶ。川村昌弘・28歳。2012年のプロデビューから活躍の場は日本だけでなく、ユーラシア大陸全土、そのまた海の向こうにも及ぶ。幼い頃から海外を旅することこそが夢で、キャリアで巡った国と地域の数は実に70に到達。キャディバッグとバックパックで世界を飛び回る渡り鳥の経路を追っていこう。
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プロゴルファーの川村昌弘です。
いま僕は、カンチャナブリーにいます。
6位で終えた欧州ツアー(DPワールドツアー)「ラアス・アル=ハイマ選手権 by フェニックスキャピタル」から1週のオフを経て、今週はタイでプレーします。首都バンコクから北西に約130kmのところにある、グランプリGCでのアジアンツアー「ロイヤルズカップ」に出場します。
欧州の試合がしばらくないことで、アジアンツアーにやってきました。2019年9月、インドで行われた試合以来になります。コロナ禍で顔を合わせていなかった選手やスタッフの皆さんに「久しぶり!」と歓迎してもらえることが本当にうれしく、再会を楽しんでいます。
タイのコロナ対策はというと、現在は入国から5日間のうちに2回のPCR検査を義務付ける「Test&Go」という隔離制度が義務付けられています。先日まで滞在していたUAEでPCR検査の陰性証明を取ってから、タイ国内でPCR検査と宿泊がセットになっている国の指定ホテルを予約。入国した日にそのホテルで検査を受け、翌日の結果を待ちます。晴れて陰性だと入国2日目から4日目までは行動が自由。5日目に再び検査を受け、指定ホテルで1泊して翌日に陰性が出れば“解放”となります。
その際、1泊目と5泊目に宿泊とPCR検査を受けるホテルは同じでなくてOK(僕はずっと同じホテルに泊まりました)。オープンウィークにした前週にタイに入ったため、練習もそこそこできて、コンディションは整えやすかったかなと思います。
会場はバンコクから車で約2時間半のエリアにあり、僕はレンタカーで移動してきました。久々にタイに来て思うこと…やっぱり物価が安くてありがたい。大会が用意してくれるオフィシャルホテルもありますが、僕が今回ネット予約したホテルが大正解! レストランも充実していて、各部屋にジェットバスが付いたリゾートホテルが1泊あたり約7000円。
中東での宿泊費は最近2万円を超えるケースが多く、これは助かります。また、UAEやこちらに来る前のバンコクでもバスタブのないシャワー生活が続いていたので、朝晩にお風呂に入れるだけで元を取ったようなものです。
今週は日本ツアーで活躍する選手も複数いて、なかには期待の若手、久常涼選手の姿も。実は昨年の冬に日本で一度、一緒に練習をする機会がありました。初対面だった当時は「QTに失敗して出られる試合が少ないんです…」と話していましたが、ラウンドを見ていたら「放っておいても活躍する」とすぐに思ったのを覚えています。案の定、下部ツアーで賞金王になり、レギュラーツアーでもシードを獲得。海外志向も強そうで、彼のような選手はきっと国境も飛び越えていくはずです。