2024年 プレジデンツカップ

プレジデンツカップ 世界選抜の鍵を握る5人のクラブ

2024/09/26 19:05
世界選抜のメンバー。左からトム・キム、アダム・スコット、ジェイソン・デイ

木曜開幕の「プレジデンツカップ」(カナダ・ロイヤルモントリオールGC)は、各メンバー12人の米国選抜と世界選抜が4日間にわたり5ラウンドの競技で勝敗を競う。普段のツアー競技と異なり、それぞれが母国のプライドを胸に臨むだけに興味をそそる勝負になる。選手は日曜の最終日に行われる「シングルス」に加え、その前段に2人1組の、ベストボール方式「フォアボール」、オルタネートショットとも呼ばれる「フォアサム」を2ラウンドずつプレーする。

大会は1994年に始まり、直近の2022年大会は米ノースカロライナ州シャーロットのクエイルホロークラブで開催され、米国選抜が17.5対12.5で勝利するなど、過去14戦の戦績は同選抜が12勝1敗1分けと圧倒的。ただ、昨年にローマ開催の「ライダーカップ」で欧州選抜に敗れた米国選抜は今回もアウェイでの戦いとなる。

ギアの視点から、両チームの鍵を握りそうな選手をピックアップした。後編は世界選抜チーム。

コリー・コナーズのブループリントTアイアン(提供GolfWRX)

コーリー・コナーズ

・鍵となるクラブ:ピン ブループリントS(4、5番アイアン)、ピン ブループリントT(6番~PW)
・鍵となるスタッツ: ストロークゲインド:アプローチ・ザ・グリーン(3位)、パーオン率(11位)

何人かのPGAツアーの選手は、統計的にコナーズよりアイアンショットが優れている。厳密に言えば、2人だけで、彼がこの分野でより優位に立つため、キャビティバック型のロングアイアンとブレード型のショートアイアンの複合セットにしている。コナーズのアイアンは世界選抜の重要な武器で、彼は母国カナダのギャラリーを盛り上げ、チームにアドバンテージをもたらすだろう。

「僕はまずヘッドを見下ろした時に心地良く感じたいし、好きな形状であって欲しい。そこで自信を感じられる。気持ち良く使いたいし、必須事項は全部クリアしないといけないんだ。今のアイアンはとてもスクエアで、形がいい。必要な打感の良さも十分だ。2つの見た目と打感は、僕にはパフォーマンスを同じくらい重要なんだ。今のピン ブループリントのセットは気に入っているよ。見た目は最高。打感も最高。意のままに打つことができる。僕のゲームの強みとなっている」

ジェイソン・デイのイッツィビッツィ スパイダーリミテッド レッドパター(提供GplfWRX)

ジェイソン・デイ

・鍵となるクラブ: テーラーメイド イッツィビッツィ スパイダー リミテッド レッドパター
・鍵となるスタッツ: ストロークゲインド:パッティング(11位)

米国選抜にはシャウフェレの赤いパターがあるが、世界選抜にも赤いパターがある。デイのテーラーメイド イッツィビッツィ スパイダー リミテッド レッドで、彼はここ10年近くバッグから出し入れしながらも、武器としてきた。デイの「プレジデンツカップ」出場は2017年以来で、そのパターは世界選抜には重要な武器となる。

「このスパイダーは、もうかなり長いこと使っている。確か初めは白いやつを使い始めて、その後、黒いやつになり、時の経過と共に変わって行って、今は赤いやつさ。とにかく気に入っている。僕は、パターの地面に対する座りにこだわる。週によって、ボールがフェースからどう転がるか次第で、ロフトとライ角を変えることはできる。それで、いいパットができていると感じられたらいい。そこがポイントだね。特にチーム戦では、いいパットは絶対必要な要素だから。究極的には、均衡を保つ最高の武器。もう随分と長い間、パットの調子はいい。たまにパターを換えることはあったけれど、時が経つと、常にスパイダーに戻ってくるんだ」。

トム・キムのT200アイアン(提供GolfWRX)

トム・キム

・鍵となるクラブ: タイトリストT200(4番)、タイトリストT100(5~9番)アイアン
・鍵となるスタッツ: ストロークゲインド:アプローチ(2023年10位)、200~225ヤードのアプローチ(2023年12位)、200ヤード以内のアプローチ(2023年12位)

前回の「プレジデンツカップ」の土曜のフォアボールで、キムは最終ホールで3mのバーディパットを決め、米国選抜のスーパーコンビだったキャントレーとシャウフェレを撃破した。前回大会のハイライトシーンの一つで、そのバーディをお膳立てしたのが4番アイアンの見事なショットだった。

昨年、フェデックスカップを20位で終えたキムは最高のロングアイアンの使い手の一人だった。飛ばし屋ではないだけに、それは特に重要なことだったが、2024年はそこの調子を落とした。もし、キムがロングアイアンのマジックを取り戻すことができれば、大きな期待が膨らむだろう。

「自分のロングアイアンで最も重要なのは、高さを作り出すことだと思います。第二は、それに一貫性を持たせること。ロングアイアンで精度を高めるのは難しいですが、そこを実現できれば他の選手を引き離すことができます。僕はそれに厳しく取り組んできました。飛距離のコントロールと弾道は、特に焦点を当ててきたことで、キャリアを通じてそれに助けられてきたと思います」

アダム・スコットのL.A.B.ゴルフ プロトタイプパター(提供GolfWRX)

アダム・スコット

・鍵となるクラブ: L.A.B.ゴルフ プロトタイプパター(複数)
・鍵となるスタッツ: ストロークゲインド:パッティング(26位)

スコットはここ数年、L.A.B.ゴルフのブルームスティックパターで成功を収めてきた。主にメッツ1プロトタイプのヘッドを使っているが、彼は「新しいL.A.B.ゴルフOZ.1のプロトタイプパターで、何種類かのアライメントラインの物をテストしている」と話してきた。この未リリースのヘッドは、より従来的な見た目のマレット形状で、今回投入するかは現時点で分かっていない。

「L.A.B.は伝統的なゴルフに比べて、パッティングに対してかなり異なるアプローチを持っている。今ではゴルフに多くの科学が取り入れられているけれど、彼らは科学の枠組みの外で思考し、ここまで辿り着いた。L.A.B.はまだ始まったばかりで、業界では小さな会社だけど、素晴らしい仕事をしてきた。素晴らしい製品を作り出してきた。これからも、自分たちの信念を曲げなければ、もっと多くの人々が彼らの製品を手に取るようになると思う。そして、一度試してみると、それがいかに優れているかわかるはずだよ」

ミンウ・リーのパラダイム トリプルダイヤモンドSドライバー(提供GolfWRX)

ミンウ・リー

・鍵となるクラブ:キャロウェイ パラダイム トリプルダイヤモンドSドライバー
・鍵となるスタッツ: ストロークゲインド:オフ・ザ・ティ(6位)、ドライビングディスタンス(5位)

弱冠26歳ながら、リーはゴルフ界屈指のドライバーの使い手の一人という立場を確立した。2024年に、ボール初速で平均時速187.9マイルをマークし、PGAツアーで2位にランクインした。また、ストロークゲインド:オフ・ザ・ティも6位にランクインしている。

「僕にとってドライバーで最も大きいのは、この見た目。ボール初速がとても速いところだね。僕は力強いタイプじゃないけど、ドライバーショットでは、自分の身体をとても上手く使っている。僕の性格と同じで、持って生まれたものだね。単純に準備して、攻撃的にいく。そういうプレーができればと思っているよ」

(協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)

ピン
操作性と寛容性が高いブレードアイアン
発売日:2024/02/08 参考価格: 181,500円
タイトリスト
発売日:2023/08/25 参考価格: 165,000円
キャロウェイ
445cm3のサイズと適度なスピンで、 ヘッドの動きも球筋も意のままに
発売日:2024/05/23 参考価格: 111,100円

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