“替えない男”ウェブ・シンプソンが8年ぶりにパターチェンジ
◇米国男子◇ウェルズファーゴ選手権 事前◇クエイルホロークラブ(ノースカロライナ州)◇7558yd(パー71)
PGAツアー7勝のウェブ・シンプソンは、用具のことになると自分は「頑固」だと認めている。
例えば、タイトリストTS2の3Wは2018年から、タイトリスト913.Fdの5Wは13年から、タイトリスト 680 フォージドアイアンは03年から使い続けている。
パターも16年頃からオデッセイ タンク クルーザー V-LINEを愛用。USGAがアンカリングを禁止した際にはアームロックスタイルのパターストロークを取り入れ、ほぼ一貫して使い続けてきた。
しかし、今週の「ウェルズファーゴ選手権」を前に、オデッセイ Ai-ONE“クルーザー”ジェイルバードのブルームスティックパターへ乗り換えて、従来のセットアップを完全に覆そうとしている。
なぜ、突然の変更に至ったのか?
シンプソンは開幕前の火曜日に「(理由は)一貫性を欠いたパッティングだね。僕はいろいろな意味で、ギアに関しては頑固なところがあるのだけど、長い間、継続的に良いパッティングができていなかったので、なんでも受け入れる必要があった。“ボールストライキングは本当に良い感じになっているのに…”と思っていたところでもあったんだ」と説明した。
「何か一貫性を発揮できるものを手にできれば、と思っていた。ツアーでは毎年、短期間好調の波に乗る選手が出てくるよね。4、5大会続けて良い成績を残せれば、瞬く間にメジャーやフェデックスカップ プレーオフに出場することだってできる。ここでは迅速に状況を好転させられるからね。何であれ、僕をその舞台に連れて行ってくれるのであれば、それは素晴らしいものだ、という感じになっていたんだ」
新しいジェイルバードのブルームスティックパターを試してみる着想を得たのは、アクシェイ・バティアがきっかけだったという。バティアはほぼ同じ作りのパターで、4月「バレロテキサスオープン」で優勝を飾っている。
その前週、「テキサスチルドレンズ ヒューストンオープン」でシンプソンのキャディであるデビッド・クック氏がバティアのバッグを担いでいた。「その時、彼は見事なパッティングをしたんだ。僕がバレロの映像を見た時も素晴らしいパッティングをしていた。それで“僕もあれを試そう”となったんだ」という。
とはいえ、ブルームスティック式のパッティングストロークはシンプソンにとって未知の領域だ。
「これまで1、2回しか打ったことはなかったけれど、とにかくアクシェイの使用するものをオーダーした。最初はぎこちない感じがしたけど、使えば使うほど“なんて簡単なんだ”という感じになってきた。僕の仲間でもあり、レップをやっているジョン・タイラー・グリフィンがセットアップを手伝ってくれた。彼はヒルトンヘッドで“パッティングの調子が悪かったのに、これに変えたらどんなパットでも入るようになった”と自信満々に言ったんだ。“それじゃあ、僕もトライしてみよう”となったんだ」
新たな長尺パターが、アームロック式のタンク クルーザー V-LINEを10年近く使用してきたシンプソンに確かなワクワク感をもたらしている。
(協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)