ジャスティン・トーマスがギアを「マスターズ」仕様に再編成
ジャスティン・トーマスが「マスターズ」のためにやり残したことは何一つない。9度目の出場で初のグリーンジャケットを目指し、バッグの中でかなりの実証実験を行い、新たなセットアップで臨むこととなった。
一連のテストは3週前の「バルスパー選手権」で始まり、そこでトーマスとタイトリストのツアーレップ、J.J.ヴァンウェゼンベック氏は2023年の「全米オープン」から使用してきたアイアンを見直した。
トーマスは数年にわたり、超カスタム仕様の621.JTブレードアイアン(4~9番)を使用していたが、2023年「全米オープン」では、ブレードの4番アイアンをキャビティバック構造で僅かながら寛容性の高いT100に変更した。
「バルスパー」を前に、T100の5番アイアンもテストした。
ヴァンウェゼンベック氏によると、特にフェース下部で打ったショットで、弾道と寛容性が高くなったことから、トーマスはテストの結果に満足した。唯一の問題は番手間の飛距離。5番の飛距離が4~5yd伸びたことで、4番とのギャップがタイトになり過ぎてしまった。
そこで今度はT200の4番を試すことになった。中空ボディ設計によりフェース全体でさらに寛容性が高くなっており、打ち出し角と弾道の頂点が高くなっている。飛ぶ5番アイアンと、さらに飛ぶ4番アイアンをバッグに入れて、問題を解決したのである。
トーマスはタイトリスト621.JTのミドルからショートアイアン(6~9番)、T100の5番アイアン、そしてT200の4番アイアンという新しいコンビネーションを見出した。
現在、トーマスはPGAツアーのストロークゲインド:アプローチ(グリーンを狙ったショットの貢献度)で6位にランクインしているが、200ヤード以上のアプローチ(グリーンを狙ったショット)はランキング134位。しかし、寛容性の大幅な増加と高さが増したことは、おそらく大きな違いを生み出すことだろう。
「マスターズ」でのギア変更はこれだけに留まらない。スコッティキャメロンのレップであるドリュー・ペイジ氏とパターのテストに取り組み、ハワイでローンチされた新しい2024年モデルのファントムX 5.5パターへ乗り換えようとしている。
ペイジ氏によると、トーマスは新しいファントムXモデルの見た目は気に入ったものの、フェースの打音の好みは若干異なっていたという。数カ月にわたりヘッドに微調整を行う試行錯誤を続けた結果、マスターズの初日にこれまで使用していた同じデュアルウィング形状のX5ツアーモデルから、新パターに変更するゴーサインを出した。
また、「バルスパー」の日曜にプロトタイプのタイトリストTSRの2番ウッドを実戦投入している。キャメロン・ヤングが「ザ・プレーヤーズ選手権」でテストしているところを目撃されたクラブと同じもので、ヴァンウェゼンベック氏によると、トーマスは「マスターズ」での実戦投入を見据え、実際の競技の場で使用してみたかったとのことだ。
初日は信頼しているTSの3番ウッドを使ったようだが、ここ最近の傾向では準備期間が短くてもためらうことなくギアの変更に踏み切っており、大会期間中の2番ウッドへの変更は十分に考えられる。
(協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)