欧米ツアーのシーズン最終週で未発表クラブが続々お披露目
ロリー・マキロイ(北アイルランド)は、今週の欧州ツアー「DPワールドツアー選手権」でバッグにテーラーメイドの新しいドライバー「Qi10 LS」を入れて臨んでいる。すでに「レース・トゥ・ドバイ」のタイトルを確定させているマキロイは、今週初めにUSGAの適合リストに追加された新モデルを手に、シーズン最終戦を通算1アンダーの34位で折り返した。
2023年シーズン最後の公式戦が開催されている今週のPGAツアー及びDPワールドツアーにおいて、お披露目された新ギアは、それだけに留まらない。
GolfWRX.comは、今週開催の「RSMクラシック」火曜日に、コブラ、ピン、そしてPXGを含む様々なメーカーの新クラブを目撃した。24年に控えている公式発表を前に、今週はそれらクラブを選手へと手渡し、競技の場でテストしつつ、練習のため自宅へ持ち帰ってもらう最後の機会なのである。
現時点で各メーカーは新しいギアについて口を閉ざしているが、GolfWRX.comはシーアイランドGCにて写真撮影をしつつ、PGAツアーの選手たちから新クラブに関する話を聞くことができた。以下は、今週ツアーで日の目を見ることになったギアに関する情報である。
■コブラ ドライバー「ダークスピードX、LS、マックス」
コブラはことし、「エアロジェットLS」「エアロジェット」「エアロジェットマックス」ドライバーをリリースした。各モデルは“PWRブリッジ”と呼ばれる内部ブリッジ構造を搭載しており、フェース方向へ重量を移動させることで低スピンと高初速を実現している。また、クラウンとソールには薄い層のカーボンが配されており、さらに“PWRSHELL”フェースインサートがスイートスポットを効果的に広げている。
リッキー・ファウラーやジェイソン・ダフナーといったコブラ契約選手は、ことしエアロジェットドライバーを使用した。この火曜日に、GolfWRX.comは未リリースの「ダークスピードLS」「ダークスピードX」「ダークスピードマックス」ドライバーを目にした。見たところ、これらドライバーにもPWRブリッジとPWRSHELL、そして交換可能なソールウエートは搭載されており、不必要部分の重量軽減のためカーボンファイバーが用いられた部分もあるようだ。
3種類あるダークスピードドライバーはそれぞれ少しずつ設計に差異があるようで、ソール重量やヘッド形状の違いにより、選手のニーズに応じて、ショットの種類、スピン量、そして弾道が異なるようになっている。
■ピン ドライバー「G430 MAX 10K」
ピンはことしの初めに「G430」ドライバーのファミリーを公式発表した。このシリーズには、「G430 LST」「G430 SFT」「G430 MAX」が含まれる。しかしながら、今週GolfWRX.comは、ファミリーの新メンバーとなるかもしれないクラブを目撃した。ピン「G430 MAX 10K」がそれである。
ピンの新しいMAX 10Kプロトタイプドライバーは、一見したところ“カーボンフライラップ”クラウン設計で、より大型のヘッド形状となっている様子。ピン契約選手のハリス・イングリッシュによると、極めて寛容性が高いとのことだ。
イングリッシュは火曜日にGolfWRX.comとの会話の中で、「ヘッドは確実に大きい(見た目となっている)し、滅茶苦茶真っ直ぐ飛ぶので、かなり好印象だね」と述べた。
イングリッシュは、今週この新しいドライバーを実戦投入するかどうか決めかねていたが、同じくピン契約選手のキャメロン・チャンプのバッグの中身ではこれが唯一のドライバーとなっているため、この新ドライバーを実戦投入することが見込まれている。
■ピン ウェッジ「S159」
新しい10Kドライバーに加え、ピンは今週、何本もの新しい「S159」ウェッジを現場に持ち込んでいる。選手の好みに応じて、3種類の仕上げ(ブラック、クローム、メッキなし)が用意されているほか、グラインド、バウンス、そしてロフトのオプションは多数あるようだ。
イングリッシュはGolfWRX.comに対し、この新しいウェッジを今週の競技で実戦投入する予定であることを明かした。
イングリッシュは「これは良いよ。僕はメッキなしの見た目が好きだね。(メッキなしは)随分と長い間使っていなかった。グラインドの種類も豊富で最高なんだ。オプションは断然多くなったね」と述べている。
ウェッジのソールは、クラブがインパクトで接地する際に極めて重要な役割を担っていることから、ピンはこのラインアップで数々の異なるグラインドとバウンスのオプションを開発しており、これには新しい“H”及び“B”グラインドが含まれる。
■PXG ドライバー「0311ブラックオプス」
GolfWRX.comは4種類の新しいPXGのドライバー「0311ブラックオプス」のプロトタイプも目撃した。このシリーズの顔ぶれは、0311、0311ツアー1、0311ツアー2、そして0311ツアー3となっている。
各ドライバーはソールウエートの位置とヘッド形状が異なっており、これにより弾道特性に若干の違いが生じるようになっているほか、いずれのモデルも後方に突き出る形でウエートを配置。重量をより深い位置まで動かすことで、寛容性、打ち出し角、初速アップを実現する狙いによるものと推察される。
PXG契約選手のエリック・コールは、今週の実戦投入を見込んでいるこの新しいドライバーについて、「これは僕が使っていたもの(以前のPXGドライバー)よりも、はるかに寛容性があり、初速が速いんだ。ヘッドは4種類あるけれど、僕は(スピン量的に)その中間のモデルを使っている。いずれも光沢のあるクラウンで、カーボンファイバーだね。アドレスでのヘッド形状は大きめで、とても寛容性が高いんだ」と述べている。
(協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)