PGAツアー2020-21シーズンのギア10大ストーリー
「ツアー選手権」が終幕し、PGAツアーの2020-2021シーズンが完結した。フェデックスカップを掲げたのは、シーズン終盤にパターに小さな変更を加えたことが奏功したパトリック・カントレーだった。
我々は今こそが、今季のPGAツアーをにぎわせた用具がらみの重要なストーリーを振り返るのにこの上ないタイミングだと判断した。それに、なかなか面白い話もそろっているのである。
■ハリスのホーハム
1月には、ハリス・イングリッシュが2013年「マヤコバクラシック」で優勝したときに使用したピン スコッツデール ホーハムをバッグに入れ、「センテナリー トーナメント・オブ・チャンピオンズ」を制覇した。この一風変わった見た目のパターは、一風変わった用具としての歴史を持っており、イングリッシュがホーハムの何に惚れ込んでいるのかについては、ピンゴルフのツアーレップ、トニー・セラーノが話を聞かせてくれた。
■松山英樹のスコッティ変更
完璧なパターを絶え間なく追求する松山英樹は、「マスターズ」の2週前に、スコッティキャメロン タイムレスに代えて、グリップの異なるスコッティキャメロン ニューポート2ツアー プロトタイプ2012年モデルをバッグに入れた。
■ロリーが古いプロトタイプに回帰
ロリー・マキロイは、2021年に何度もギアを変更した。中でも、最も重要なギア変更となったのは、優勝した「ウェルズファーゴ選手権」の前に、アイアンを2017年テーラーメイド Rors プロトタイプに戻したことだった。
■フィルの「全米プロゴルフ選手権」優勝ドライバー
圧巻の「全米プロゴルフ選手権」制覇を成し遂げる手段として、フィル・ミケルソンは47.9インチ(USGAのリミットである48インチに迫る長さ)のシャフトが装着されたキャロウェイ エピック スピード ドライバーを巧みに駆使した。
■モリカワが好パフォーマンスをもたらすパターと巡りあい
アライメントに苦労していたコリン・モリカワは、一般に公開され誰もが使えるMyTPカスタムパタービルダーを使って、テーラーメイドTPジュノ パターを組み上げた。最終的に、彼の実戦使用モデルには若干の違いはあるものの、これは“彼らのも僕らのとほぼ一緒”という面白味のある話だった。
■ラームの「全米オープン」優勝パター
ジョン・ラームは堂々たる優勝を飾った「全米オープン」の前に、パターをオデッセイ ロッシーSに変更した。カールスバッドにあるエリーキャロウェイパフォーマンスセンターで何が行われ、なぜ、それまで使っていた2ボール テンから代えたのかについて、我々は詳細なストーリーを報じた。
■ロリーがキャメロンで五輪に出場
フルバッグのテーラーメイド契約選手が東京にテーラーメイド スパイダーパターではなく、スコッティキャメロン009Mパターと一緒にやって来たことで、ゴルフ用具界の注目をフルに集めた。
我々はこの話に関する詳細について調査し、その後、ロリー・マキロイは結局テーラーメイドのマレット型パターに戻したのだが、これは特筆すべき面白い話題ではあった。
■フィルがアームロックに取り掛かる
常に自身のギアに関する新しい試みを取り入れているフィル・ミケルソンが、アームロック式のパッティングに挑戦した。それに加え、彼は興味深い逸話を持ったプロトタイプのパターも使用した。この試みは既に終了したものの、これは今振り返って掘り下げるだけの価値があるストーリーとなっている。
■トーマスがジュニアゴルファーのアドバイスを聞き入れる
15歳のジュニアゴルファーからの質問により、ジャスティン・トーマスはPGAツアー15勝のうち14勝を挙げた際に使用したスコッティキャメロン ファントム X 5.5パターを控えに下げていることを考え直すに至った。
■小さな変更がカントレーにプレーオフで大きな報酬をもたらす
直近の“最も重要なギアのストーリーライン”と言えば、パトリック・カントレーがスコッティキャメロン X 5 パターをアライメントラインのないタイプからアライメントラインの入ったモデルにして見せつけた、パッティングのストロークゲインドにおける史上最高のパフォーマンスということになる。
彼はその激アツパターを引っさげて臨んだイーストレイクでフェデックスカップを制覇。時として、より小さな調整が最大の配当をもたらすこともあるようだ。
(協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)