全英制覇コリン・モリカワを支えた「変更」
第149回「全英オープン」でコリン・モリカワは、出だしの2日間から卓越したプレーを見せた。今大会を迎えるにあたり、使用するクラブにいくつかの調整を加えた上でのものだった。
ロイヤルセントジョージズでの予選ラウンドで「67」「64」をマークした24歳は、木曜の第1ラウンド前に鍵となる3本のアイアンを入れ替えていた。
モリカワは7番から9番アイアンにかけての3本をテーラーメイドP730アイアンから同社のP7MCモデルに換えていたのだが、これはP7MCの方がターフの抜け方が合っており、センターヒットも増え、さらに寛容性もわずかに高いことに起因する判断だった。
「通常はブレードアイアンを使っていた9番から7番アイアンを変更したんだ。MCへの変更は、僕がフェースの中心で打てていなかったという点に尽きるね」と、モリカワは第2ラウンド終了後に述べた。「これらは、僕が一番得意としている最重要の3本だからね。8番アイアンは、バッグの中で僕が一番好きなクラブなのだけど、先週は良い感じで打てていなかったので、何か違うことにトライしなければならないと思っていたんだ」
前週の「スコットランドオープン」でリンクスを初めて経験したモリカワは、同大会71位タイで終えていた。
カリフォルニア出身の彼は、さらにテーラーメイドMG2ハイトウウェッジ(60度)も新た実戦投入するとともに、TPジュノパターのウェートに調整を施した。
大西洋の反対側ではグリーンが遅くなるのは常であり、モリカワはスコットランドオープンでパットをホールに届かせるのに苦労した。
ロイヤルセントジョージズの遅いグリーンのスピード(タッチ)に対応するべく、モリカワは2.5gのウェート2つを外し、7.5gのウェート2つを取り付けることに決め、パターの重量を10g増やした。
パターの重量調整に加え、パットによってその握りを変えた。
ソーグリップ(クロウグリップ)の使い手であるモリカワは、前週、リンクスのグリーン上でのロングパットでスピードを合わせるのに苦労したため、今はロングパットをする際はコンベンショナル(従来型)のスタイルでストロークし、短いパットはソーグリップで握っている。
「感覚的なものなのだけど、ソーグリップではテンポが合わないんだ。ソーグリップは僕にとって、素晴らしい方法なのだけど、25~30フィート以上になると打ち切れなかったんだ。ブラント・スネデカーのパッティングみたいなテンポが得られなかったんだよ」とモリカワ。「でも、こっちは僕らが慣れているグリーンよりも遅いので、それが必要なんだ。単にコンベンショナルに変えるだけだったので、精神的には何も変える必要はなかったんだ。とにかく、(握り方だけ変えて)いつも通りの感じでパットに臨んだら、スピードが合ったんだ」
グリーン上での感触をしっかりとつかんだモリカワ。メジャー2勝目へ、その戦略がうまくはまった。
(協力/GolfWRX、PGATOUR.COM)