2021年 ウェルズファーゴ選手権

ブライソン・デシャンボーの低ロフトフェアウェイウッドに迫る

2021/05/10 19:05
デシャンボーのフェアウェイウッド(提供:GolfWRX)

ブライソン・デシャンボーにとって「ウェルズファーゴ選手権」は「マスターズ」以降で出場する最初の大会だった。今季2勝しているデシャンボーは常に実験を重ねているため、練習レンジで驚異的なヘッドスピードを扱うために組まれた、独創的なクラブを使っているのを目撃されても驚きではなかった。

その新しいクラブとは、コブラ「レッドスピード ツアープロト B」フェアウェイウッドである。ちなみに、「B」は、ブライソンのBの意味。ロフトは10.5度しかなく(このロフト角のドライバーを使用する選手も複数人いる)、長く固定されたホーゼルになっている。なお、標準的なレッドスピードは、ライ角とロフトが調節できるアジャスタブルホーゼルになっている。

「コブラ バフラー」のオリジナルモデルは、ゴルフにおける最初のユーティリティクラブのひとつとして、1980年代に作られた。ヘッドのソールにあるレールは、芝の抜けを良くするために設計された。

デシャンボーのクラブでは、コブラ バフラーのトレードマークであるソールのレールは改良され、ヘッドの前方につけられている。また、クラブのソールには、調整可能なウェートがついている。

「カスタムヘッドから始め、その後、小さなレールを溶接しました」と語るのは、コブラのツアーマネジャーであるベン・ショーミン氏だ。「(このクラブは)レールなしでもそれなりに機能しましたが、レールをつけることで、ストライキングの一貫性が向上し、断然良くなりました」

デシャンボーの極めて速いヘッドスピードは、ショットに高さとスピン量をもたらす。このクラブのヘッドは、過度の打ち出し角とスピン量を抑える設計となっている。よりフェース側かつヘッド後方から遠い位置の質量を増すことで、クラブの重心も前方へ移動している。これにより、インパクトでクラブのロフトを増すシャフトのしなりを抑えている。

シャフトのしなりを制限することで、打ち出し角とスピン量を低くし、飛距離と弾道のコントロールが向上している。

インパクトを通じ、デシャンボーの高速ヘッドスピードは、クラブがターフへ向け下方で潜ろうとするリアクションを引き起こす。レールは、クラブフェースが地面から抜けて前方へ動く手助けをするため、ストライキングの一貫性が向上することになる。

コブラの特徴であるバフラーのレール付きソール(提供:GolfWRX)

この新しいツールがデシャンボーの変化し続けるツールボックスの固定メンバーとなるかどうかは今後のお楽しみとなる。

デシャンボーの新しいフェアウェイウッドの仕様は以下の通り。

・ヘッド容量: 173㏄(レッドスピード ビッグ ツアー販売モデルと同じ)
・ロフト: 10.5度
・シャフト: LAゴルフパートナー“BAD”プロトタイプ 70 X フレックス
・長さ: 43インチ

(協力/GolfWRX、PGATOUR.com)

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