2021年 ザ・ホンダクラシック

ロリー・マキロイ 2012年「ホンダクラシック」優勝 当時のギアは?

2021/03/22 18:58
2012年「ザ・ホンダクラシック」を制したマキロイ※写真は大会3日目(Mike Ehrmann/Getty Images)

ロリー・マキロイは22歳だった2012年の「ホンダクラシック」で優勝した際、史上2番目の若さで世界ナンバーワンに到達した選手となった。今でも世界ナンバーワンの史上最年少記録を保持しているのはタイガー・ウッズであり、9年前、風の強かったPGAナショナルでの日曜日に、マキロイの決意を試したのがウッズだったことを考えると、それもうなずける。

最初の3日間でボールストライキングのお手本とも言えるプレーを披露したマキロイは、その3ラウンドで「66」「67」「66」をマークし、2打差の首位で最終日に臨んだ。だが、全く異なる展開となった日曜日、勝利に導いたのはショートゲームだった。

ラウンド序盤で、見事なパーセーブを幾度となく見せたマキロイは、残り8ホールの時点で見るからに安泰といえる4打のリードを築いた。

しかしながら、マキロイと9打差でこの日をスタートしたウッズは、最初の11ホールで1イーグル、3バーディを奪って優勝争いに加わった。

典型的なウッズ流のプレーだった。17番でバーディを奪うと、18番では逆襲パンチとなる2.4mのイーグルパットを沈め、72ホールの通算スコアを10アンダーとし、骨の折れる“ベアトラップ”(15番から17番の3ホール)をまだ残していた北アイルランド人選手に1打差まで詰め寄った。

最終日のウッズの脅威について、マキロイはラウンド後、次のように述べている。

「彼が18番でイーグルを決めるまで、そこまで注意していなかった。僕は大きな歓声を聞いたけど、あれは確実にバーディの歓声ではなかったね。そこで、僕は彼が恐らく10(アンダー)まで伸ばしたであろうことを知ったんだ」

リードがわずか1打となるなか、マキロイは13番で残り92ydをロブウェッジでスピンバックさせてピンそば2mにつけると、速いパットをねじ込んでバーディを奪い、再びリードを2打に戻したのである。

「あのパットはとても重要だった」と、マキロイはラウンド後に述べた。

危険な14番でマキロイはグリーンを外し、右サイドの厳しいラフへ入れてトラブルを招く。しかし、ここでも彼は60度ウェッジを巧みに使ってトリッキーな場所から自身を救い出すことに成功し、ピン側1.2mにつけると、パーパットを壁ドンで決めた。

その後、15番と16番を安全なパーで切り抜けたマキロイは、パー3の17番でガードバンカーにつかまってしまう。

砂を爆発させて、これもピンそば1.2mにつけると、緊張感を見せることなくパーパットを沈め、2打のリードを持ったままパー5の18番へと向かった。

最終ホールをパーとしたマキロイは、2打差の優勝を遂げると、最終日のウッズによる猛チャージから逃げ切れたのはショートゲームのおかげだったと述べた。

「何よりもまず、この大会で勝てたことは素晴らしい、この大会には長い歴史があるからね。今日は、特にタイガーがチャージしているのを目の当たりにしたから、タフだった。パーのゴルフをすれば、優勝には十分であろうことは分かっていたし、僕はそれをやろうとしていた。今週はずっとショートゲームが良い感じだったし、今日は間違いなく何度か救われたね」

この「ホンダクラシック」での勝利は、その後PGAツアーでの勝利数を18まで伸ばすマキロイのキャリアにおけるツアー3勝目だった。2012年のあの週に、このスポーツの頂点に上り詰めたマキロイは、それ以来、世界1位のランキングを102週にわたり保持したのだが、これはタイガー・ウッズグレッグ・ノーマン、そしてダスティン・ジョンソンに次ぐ歴代4位の長さとなっている。

用具的な観点で見ると、マキロイは2013年になるまで、ナイキとの用具及びアパレル契約は結んでいない。2012年当時、彼はその時点までキャリアを通じてそうであったように、フルバッグでタイトリストを使用する選手だった。

彼が現在使用するテーラーメイドのセットとは、フェアウェイウッド2本のセットアップ、そしてシャフト重量やフレックスなどに類似点はあるが、興味深い違いもある。

現在、マキロイはテーラーメイドP7MBアイアンセットのピッチングウェッジを使用しているが、2012年はボーケイの46度ウェッジを使用していた。興味深いことに、マキロイはここ数シーズンの大半は、高慣性モーメントのマレット型パターを使用してきたが、最近になって、2012年で勝利した時に使用していたスコッティキャメロン ニューポートGSSに似たテーラーメイドのジュノパターに変更している。

マキロイ使用クラブ

ドライバー: タイトリスト 913D プロトタイプ(8.5度)
シャフト: 藤倉ゴム工業 ロンバックス 7V05 X

フェアウェイウッド: タイトリスト PT 906F2(3番/13度)、タイトリスト PT 909F2(5番/18度)

アイアン: タイトリスト 712 MB(3~9番)

ウェッジ: タイトリスト ボーケイデザイン SM4(46、54、60度)

パター: スコッティキャメロン ニューポートGSS プロトタイプ

ボール: タイトリスト プロV1x

(協力/GolfWRX、PGATOUR.com)

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