2020年 ザ・CJカップ

リッキー・ファウラーが驚きのパター変更

2020/10/14 10:05
ファウラーは9月の全米オープンではこのパターを使用していた(Gregory Shamus/Getty Images)

リッキー・ファウラーが信頼するスコッティキャメロンの「トライソール ニューポート2」以外のパターを使用する姿を見たのは、もう5年以上前のことだった。シャフトこそ、従来型のスチールシャフトから、強化されたLAGPグラファイトモデルとなったが、変わったのはそれだけだった。同じモデルで5年間である。

その愛着心は容易に理解できる。もう長いこと、ツアーきってのパターの名手として知られたファウラーにとって、それは自身のゲームでドラスティックな変更を必要としない部分だった。実際、スタッツはウソをつかない。過去5シーズン、ファウラーはパッティングのストローク・ゲインドで、2017年の1位を含め、一貫して64位以内にランクインしている。

しかしながら、前週、TPCサマリンで開催された「シュライナーズホスピタルforチルドレンオープン」で、ファウラーは単に新しいだけでなく、形状自体が全く異なるパターを実戦投入した。シンプルに例えるなら、それはカミソリをチェーンソーに持ち替えたようなものだった。

この新しいパターは、フェースバランスのスコッティキャメロンX5プロトタイプであり、シャフトはシングルベンドとなっている。これはフェースの安定性を重視したモデルである。ファウラーはこれまで、タイガー・ウッズのように、パターのトゥをリリースしやすい伝統的な「アンサー2」型を好んで使用してきた。

この変更は早くも奏功した。初日にパー3の17番でダブルボギーをたたきながらも、7バーディを奪う「67」をマーク。第1ラウンドのパッティングのストローク・ゲインドで1位にランクされたのである。

現在使用しているX5の形状は、大幅な慣性モーメントの向上をもたらすため、ねじれが軽減してフェースが安定する。加えて、その形状はアライメントの補助も兼ねている。近年、選手たちが新しいものを試したがるのは、異常なことではない。ダスティン・ジョンソンロリー・マキロイ、そして前々週「サンダーソンファームズ選手権」で優勝したセルヒオ・ガルシアでさえ、1シーズンのなかで何度となくアンサー型とマレット型を行き来している。

では、ファウラーはストロークを変えているのだろうか?おそらく変えていない。しかしながら、「マスターズ」はもうすぐそこまで迫っており、ファウラーのような選手は、独自のやり方でオーガスタを攻略しようとしているブライソン・デシャンボーと互角の戦いをする上で、自分たちのゲームを最適化させる必要があるのだ。

<仕様>
スコッティキャメロン X5プロトタイプ
35インチ
ライ角70度
ロフト3度
スイングウェートD7
ヘッドウェート335-340g

(協力/GolfWRX、PGATOUR.com)

リッキー・ファウラーが実戦投入した新パター(提供:GolfWRX、 PGATOUR)

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