「バレロテキサスオープン」アラカルト
By Jeff Shain, PGATOUR.COM
3月27日から30日まで行なわれる「バレロテキサスオープン」のコース詳細やこれまでの歴史、昨年の模様などをまとめてご紹介。
◆コース:
米テキサス州にあるTPCサンアントニオ(AT&Tオークスコース)は7,435ヤードのパー72。グレッグ・ノーマンとセルヒオ・ガルシアが共同で監修したオークスコースは、同州サンアントニオ北部のテキサス・ヒル・カウンティにある2コースのうちの1つとして2010年に開業した。オークスコースは近隣のキャニオンズコースよりもかなり平坦ながら、狭いフェアウェイや約3メートル半の深さがあるバンカー、そして原生植物といったアンプレアブルの箇所がプレーヤーを悩ませる。ケビン・ナが3年前、9番(パー4)で岩と林からの脱出に苦戦し、この1ホールに16打を要したことも記憶に新しい。
◆フェデックスカップ:
優勝者は500ポイントを獲得する。
◆チャリティ:
“バレロテキサスオープン・ベネフィット・フォー・チルドレン”は大会開催当初から、8,600万ドル(約87億9,300万円)以上をサンアントニオ地域の慈善活動に寄付している。大会はまた、PGAツアーのチャリティ寄付ランキングで毎年トップ5位内に入り、昨年は1,000万ドル(約10億2,000万円)もの記録的な金額が集まった。
◆出場選手:
実に22年ぶりの出場となるフィル・ミケルソンを筆頭に、大会2勝のザック・ジョンソン、世界ランク11位のマット・クーチャー、13位のジョーダン・スピースと、現時点での世界ランキング上位15名のうち4名が参戦。さらにサンアントニオ在住でフェデックスカップランク1位のジミー・ウォーカー(今季3勝)、パトリック・リード(同2勝)といった、今季すでに複数回優勝している選手も出場を決めている。そのほか、欧州ツアーを主戦場とし、昨年10月の「フライズドットコムオープン」で3位だったブルックス・ケプカが、ツアーの特別臨時メンバー獲得を目指し、最後のスポンサー枠で登場する。
◆72ホールの記録:
254ストローク(トミー・アーマーIII/2003年ラカンテラGCでの記録)。TPCサンアントニオでの記録は、274ストローク(アダム・スコット/2010年、マーティン・レアード/2013年)。
◆18ホールの記録:
60ストローク(バート・ブライアント/2004年大会第3ラウンド、ザック・ジョンソン/2009年大会第3ラウンド、共にラカンテラGCでの記録)。TPCサンアントニオでの記録は、63ストローク(マット・エブリー/2012年大会第1ラウンド、マーティン・レアード/2013年大会最終ラウンド)。
◆2013年:
レアードが最終日の上がり3ホールで3連続バーディを奪取し、PGAツアー3勝目を挙げた。さらに9アンダーの「63」でコース記録も達成。2位のロリー・マキロイに2打差をつけての勝利だった。暫定首位のビリー・ホーシェルから5打差で最終日に臨んだレアード。しかし前半9ホールで5バーディを記録し、優勝争いに名乗りをあげた。マキロイの猛追を避けるため、彼は17番でグリーンエッジからバーディを奪い、18番では約4メートル半のバーディパットを沈めた。マキロイは結局「66」でホールアウトして優勝を逃したものの、PGAツアーでは2012年の「BMW選手権」優勝以来、半年ぶりの好成績となった。
◆筋書き:
ミケルソンは2週間の休養から戻り、マスターズシーズンに向けて波のある成績と腰痛からの復活を目指す。「ファーマーズインシュランスオープン」を棄権した彼の最近の成績は「WGCキャデラック選手権」の16位タイが最高だ。マスターズへの切符を手に入れられるか否かの瀬戸際にあるのは、世界ランク59位のチェソン・ハドリーと同63位のライアン・パーマー。今大会終了時点で(マスターズ出場権の1つである)世界ランク50位の壁を破りたいところだ。「バレロテキサスオープン」後、出場権獲得の最後のチャンスとなるのは「シェル ヒューストンオープン」での優勝だ。一方、レアードは2000年以降の大会連覇を果たす3人目のプレーヤーを目指す。ジャスティン・レナードは2000年と01年に、ザック・ジョンソンは2008年と09年にそれぞれ連覇を達成した。
◆その他:
開催コースがTPCサンアントニオに移ってから毎年出場しているフレディ・ヤコブソンは、18位よりも低い順位で終わったことがない。スウェーデン出身の彼は2010年の同コースでの初大会で2位に入った。一方、設計に加わったセルヒオ・ガルシアは今年もプレーしないことが明らかに。TPCサンアントニオに移ってから彼がプレーしたのは一度だけだ。