「アーノルド・パーマーインビテーショナル」アラカルト
By Jeff Shain, PGATOUR.COM
3月20日から23日まで行なわれる「アーノルド・パーマーインビテーショナル」のコース詳細やこれまでの歴史、昨年の模様などをまとめてご紹介。
コース:
米フロリダ州にあるベイヒルC&ロッジは7,419ヤードのパー72。ディック・ウィルソンが1961年に手がけたデザインは、アーノルド・パーマーが最初に試しでプレーしたのち“フロリダ随一のコース”と評価された。また、パーマーが後にこのコースを買い取るのにもつながっている。彼は長年にわたりコースの改修を繰り返したが、(最新の状態で)今回で5度目の開催となることから満足のいくものになったようだ。上がり3ホールで度々、劇的なフィニッシュが生まれるのも特徴。中でも1990年大会(当時は「ネスレ・インビテーショナル」)では、18番でロバート・ガメスが7アイアンを使った見事なウィニングショットでグレッグ・ノーマンを破った。
フェデックスカップ:
優勝者は500ポイントを獲得する。
チャリティ:
アーノルド・パーマー子供病院やウィニー・パーマー・ホスピタル・フォー・ウーマン&ベイビーズを擁するアーノルド・パーマー・メディカルセンター基金。新生児医療棟の拡大の必要性を感じたパーマーは、大会収益を新しい施設ために割り当てることに。1987年からこれまで、1,600万ドル(約16億2,100万円)を超える金額が集まった。
出場選手:
世界ランキング上位20名からの11名という層の厚さに加え、腰痛を抱えるなど不安要素のあるタイガー・ウッズも出場。彼は前人未到の同一大会9勝を目指す。そのほか、世界ランキング2位のアダム・スコットに3位のヘンリック・ステンソン、4位のジェイソン・デイと、世界ランクのトップ4選手が今季初めて一堂に会する。先週の「WGCキャデラック選手権」覇者パトリック・リードもまた、今季PGAツアーの勝者9名のうち出場する7名に入っている。パーマーの孫でウェブドットコムツアーのプロ選手サム・サンダースも5度目のスポンサー枠で出場。2012年以降は初めてとなる。
72ホールの記録:
264ストローク(ペイン・スチュワート、1987年)。
18ホールの記録:
62ストローク(アンディ・ビーン 1981年大会第2ラウンド、グレッグ・ノーマン 1984年大会第2ラウンド)
2013年:
予備日まで勝敗が持ち越されたことはウッズにとって、あまり大したことではなかった。彼は最後までジャスティン・ローズとリッキー・ファウラーを寄せ付けず、世界ランキング1位に返り咲くのに成功。また、同大会で8度優勝したサム・スニードの記録にも並んだ。激しい雷雨と風速約28メートルもの強風で最終ラウンドサスペンデッドとなり、決戦は予備日へと持ち越されたが、ウッズの2アンダー「70」のスコアは 予備日のプレー再開まで他に2打差をつけていた。彼は結局、昨季のこの大会で2013年3勝目とキャリア通算77勝目を記録。スニードの歴代勝利数(82回)に5つと迫った。スニードは「グレーターグリーンズボロ」で8度優勝し、ウッズ同様、同一大会の最多勝利記録を持っている。
筋書き:
大会9勝目を目指すウッズだが、腰痛という不安要素もある。彼はこれが原因で先日の「ザ・ホンダクラシック」では最終日に5ホールを残して棄権した。さらにドラールでの「WGCキャデラック選手権」は25位タイで終えている。マスターズまでプレーしなかった2010年以外で、トップ10位内と縁のない時期は今が最長だ。一方、ブルーモンスターを制したリードなら、昨年8月の「ウィンダム選手権」以来7ヶ月で3度の優勝に続き、新たな記録を作ることができるかもしれない。彼は現在、フェデックスカップランキングで3位につけ、1位のジミー・ウォーカーとは546ポイント差だ。リードとホンダクラシック覇者のラッセル・ヘンリーには、ここ5年間で3人目となるフロリダスイング2勝プレーヤーになる可能性もある。ウッズは昨年「WGCキャデラック選手権」と「アーノルド・パーマーインビテーショナル」で優勝したし、アーニー・エルスは2010年に2勝した。デイは親指のケガで先週の「WGCキャデラック選手権」を欠場したが、今大会で復活する。
その他:
PGAツアーが35年前にベイヒルにやってきて以来、欧州出身で優勝したのはスコットランドのマーティン・レアードだけ。そのほかの米国以外のプレーヤーは、エルス(1998年と2010年、南アフリカ)、ロッド・パンプリング(2006年、オーストラリア)、ビジェイ・シン(2007年、フィジー)の3名だ。また、132名のプレーヤーのうち20名はオーランド地域に居を構えている。その中にはフェデックスカップチャンピオンのステンソンに、全米オープン王者ジャスティン・ローズ、そして2012年のマスターズ覇者バッバ・ワトソンがいる。