イニスブルックリゾートの名物ホール:カッパーヘッドの8番
ティショットの軌道がドローの選手ならば、今週の「バルスパー選手権」での8番パー3のホールで幾分かは気が楽になるかもしれない。
イニスブルックリゾートに散らばる5ホールのパー3の中で最も距離のある235ヤードの8番ホールでは、何年にも渡り1本の巨木がボールを打ち出す右方向を遮っていた。
昨年の大会後、イニスブルック管理者は視界を広くすることを決断。
イニスブルックの管理を任されているライアン・スチュワートは、「(木が)プレーヤーのショットに影響を与えていました。特にティからグリーンの半分近くが隠れて見えない状態でしたので、プレーに影響が出ていました。今は以前よりショットを打ちやすくなったと思います」と語る。
今回の変更が出場者にどう影響するかは、各々の打球の行方次第だろう。
2010年に優勝したジム・フューリックは、「主に軌道がドローな選手、強めのドローを打てる選手は大きなアドバンテージを得る。ライアン・パーマーやケニー・ペリーらのように、右から左に曲がる球を打つ選手と話をしてみれば、その違いは明らか」と話す。
つまり、軌道がフェードの選手にとっては、今回の変更が視覚的なものだけでないことがわかるはず。ただし、隙間をつく技術があればの話だが。
フューリックは、「多くの選手は見た目の違いがわかるはず」と、コースの違いについて語る。
風の影響にもよるだろうが、ミドルアイアンからハイブリッドを選択すれば、ダイヤモンド型に近い形のグリーンに乗せることが求められる。手前のバンカーを越えられなければ、パッティングのラインを拝むことも出来ない。
8番ホールは、カッパーヘッドの中でも5番目に難易度の高いホールと言われている。近年では“スネークピット”の愛称で知られる16番から18番ホールで記録されたバーディ数の方が少ない。
昨年の「全米オープン」を制したジャスティン・ローズは、「とにかくティショット狙い所が狭いという印象だね。ティから見えるグリーンの幅が狭いから」とコメント。
木を1本伐採しただけで数字に変化が見られるかどうかは、大会を通してみなければわからない。
「あのホールでは真っ直ぐ打てば良いんじゃないかな」と、ローズは皮肉を忘れなかった。