悲願のメジャー優勝へ、“きっかけ”を掴みたいジェイソン・デイ
2011年以降、ジェイソン・デイはPGAのメジャー大会で4度も2位または3位に甘んじてきた。彼が手にしていないのは、優勝の二文字だけだ。
ひょっとすると、そろそろ潮目が変わる頃かもしれない。
26歳の若き精鋭は、2週間前のWGCアクセンチュアマッチプレー選手権で延長戦の末に優勝した。彼はこの米国ツアー通算2勝目が、大きな“きっかけ”となってくれることを願っているようだ。
「今年ほどゴルフに集中できて、大会でも結果が伴っていることは、これまでなかったからね」。オーストラリア人のデイは火曜日、今週のWGCキャデラック選手権の舞台となるトランプナショナルドラールで語った。「コース上の努力だけでなく、コース外でも身体を鍛える努力をしてきた。出来ることは全てやってきたよ」。
「去年のワールドカップで優勝したことが自分のモチベーションになって、練習に一層、身が入るようになった。自分自身がどこまで行けるのか、今は楽しみで仕方ないね」
昨年のマスターズ最終日に3連続バーディを決め、一度はトップに立ちながらも16番と17番の連続ボギーで優勝争いから脱落してしまった経験を含め、デイはこれまでにも、大きなブレイクポイントを掴みかけたことがあった。
「プレッシャーに少し弱いのかもね」と、彼は認めた。「大舞台での優勝争いは、身体中がしびれる素晴らしい経験だった。特に(最終日のマスターズの)15番でバーディを決めた時は最高だったね。トップに立った僕は、こう思ったんだ。“なんてこった。勝負は残り3ホールだ。最後を上手くまとめれば、オーストラリア人として初のマスターズ制覇だ”ってね。あれは素晴らしい体験だったね」
残念なことに、マスターズを制してグリーンジャケットに袖を通したのは、デイとは別のオーストラリア人選手だった。デイは3位に終わった。2年前のオーガスタで、デイは2位となった。それ以来、デイは全米オープンでも2度の2位フィニッシュがある。
大舞台でのプレッシャーを楽しめるようになった、と語るデイにとって、2週間前のダブマウンテンで、ビクトル・デュビッソンを僅差で下した優勝は、重要な意味を持つ。
「多くの人は僕のことを、どうせ最後は負けるんだろ、と思っていただろうね」と、デイは振り返った。「ゴルフ人生のブレイクポイントを迎えた時、どちらを選択するかって話だよ。“OK、十分楽しめたからここらで満足さ”と思うのか、あるいは“NO、まだまだこれからだ。優勝するまで絶対に諦めないぞ”と思うかの差だよ」
「タイガー・ウッズが長年にわたって何度も優勝しているのを見慣れているから、一般的に“優勝は簡単なこと”って思われがちだけど、優勝するのは難しいこと。緊張する場面で平常心を保って普通にプレーすることは、決してたやすいことではない。私は、ジェイソン・デイがタイガー・ウッズのようになれるよう努力をしているけど、人間だからミスが起きる。ずいぶんと長い間、タイガーの勝負強いショットやパットを見てきた我々は、ツアーの選手たちは、みんなタイガーのようにプレーすればよいのに、と思うだろう。だから我々は毎日、ハードな練習をしているんだ」