2013年 WGC キャデラック選手権

WGCキャデラック選手権 3日目 レビュー

2013/03/10 13:07

タイガー・ウッズはティショットをヤシの木にひっかけてしまった。それが「WGCキャデラック選手権」3日目に於けるタイガーにとっての唯一のミスショットだっただろう。

ウッズはこの日、ここトランプ・ドーラルのTPCブルー・モンスターでさらに7つのバーディを奪った。タイガーは最終18番ホールで15フィートのバーディパットを沈め5アンダー「67」で3日目を終え、2位のグレーム・マクドウェル(北アイルランド)と4打差で最終日を迎える。

ウッズはこの3日間で24個のバーディを奪っている。また、パット回数は3日間で74打だ。これらの数字は共に彼自身のPGAツアーの自己ベストとなる。

彼は自身2009年以来となるWGC大会での優勝、またWGC通算17勝目に向けて絶好のポジションにいる。PGAツアーにおいてウッズが明らかなリードで最終日を迎えたときの成績は39勝2敗だ。2打差以上を逆転された唯一の負けは、2010年のシェブロン・ワールド・チャレンジ。当時18歳だったマクドウェルに2打差をつけて最終日を迎えたが、プレーオフでマクドウェルに敗北した。

本日、マクドウェルは残り3ホールの時点でウッズと6打差あった。そして16番ホール(パー4)でティショットをグリーンオーバー、2打目をチップインさせ、このホールをイーグルとした。

彼はウッズが17番ホールのティショットをヤシの木の幹に打ち込み、ペナルティドロップののち、このホールをボギーとしたことで、ウッズとの差を更に1打縮めた。マクドウェルはこの時点でウッズと3打差まで迫ったが、それは長くは続かなかった。

ウッズは18番ホールをバーディとし、トータル18アンダー「198」で3日目を終了。マクドウェルも最終18番で85フィートの難しいパットを2パットでパーとし、ウッズに4打差としている。マクドウェルは3日目を「69」で回り、再びウッズと最終組で回ることとなる。

最終組で回ることを熱望していたフィル・ミケルソンは、3番ホールで残り4フィートを3パットしてこのホールをダブルボギーとしてしまったが、その後のホールで4つのバーディを奪いスコアを取り戻した。ミケルソン、そしてスティーブ・スティッカー共に「69」で回り、トップと5打差につけている。

ウッズはかつてWGC大会で30戦中16勝と圧倒的な勝利数を誇っていた。2009年の「WGCブリヂストンインビテーショナル」で勝って以降は10戦で0勝となっているが、このキャデラック選手権は彼にとって有利だろう。ウッズは既にこのドーラルで3度優勝している。そして大会前日にストリッカーがウッズにパットのアドバイスをして以来、とてもパッティングの調子が良い。

「彼がどんなクローザー(野球の投手のクローザーの意)か知っているだろう?彼がリードして最終日を迎えた場合、そこに割って入るのは本当に難しいんだ。僕らはやるべきことを完全にやらなければならない。厳しいコースでバーディを量産しなくてはならないんだ。でもそれはとても難しいことだ」とストリッカーは語った。

特にウッズが今大会のようなプレーをしている時は倒すのが難しい。彼はこの3日間を通じてロースコアのゴルフを展開している。

前半9ホールでマクドウェルはウッズに対して最高のゴルフを展開した。そしてそれに対してウッズもこの風の強いTPCブルー・モンスターにて素晴らしいカウンターパンチをお見舞いした。マクドウェルが20フィートのイーグルパットを決めると、ウッズも連続バーディで応えた。そして3番ホールでは、マクドウェルが10フィートに付ける素晴らしいアプローチを見せると、ウッズは更にその内側6インチに寄せるアプローチを見せ、両者ともこのホールをバーディとした。

マクドウェルは6番ホールで20フィートのバーディパットを決めてウッズに並んだ。そして7番ホールではウッズにリードを奪う10フィートのバーディチャンスがあったが、これを外した。そしてこれが、マクドウェルが最もウッズと近付いた瞬間であった。

ウッズ1打差のリードで迎えた10番ホール(パー5)、マクドウェルは2オンに成功し、再びウッズに並ぼうとしていた。ウッズはまたもや素晴らしいウェッジを見せ、6フィートのバーディパットを沈めた。一方のマクドウェルはイーグルパットを決めることができず、返しの4フィートのバーディパットも外し、このホールをパーとしてしまう。マクドウェルは自分の足を叩き猛烈に悔しがった。

11番ホール。共に6フィートのパーパットとなったが、それを決めたウッズに対し、マクドウェルはこれを外しこの日初めてのボギーとした。この時点でウッズのリードは3打となり、マクドウェルが14番ホールのグリーン後ろからのアプローチをミスし、このホールをボギーとしたことでウッズとの差はさらに広がった。さらにウッズは15番ホール(パー3)でピンそば6フィートにつける見事なティショットを放ち、このホールをバーディとする。

マクドウェルはそれでも何とか食いついていた。しかし最終18番ホール、マクドウェルが長いバーディパットをカップまで1フィートにつけたのに対し、ウッズはこのホールでもバーディを奪い、最終日での逆転を更に難しいものとした。

リーダーボードには名だたる選手が掲げられているが、ウッズはそれらの選手を引き離している。「ホンダクラッシック」の勝者であるマイケル・トンプソンセルヒオ・ガルシア(スペイン)は共に「67」で回り、チャール・シュワルツェル(南アフリカ)とキーガン・ブラッドリーと同じ通算11アンダーで5位タイとしている。また「マスターズ」覇者のバッバ・ワトソンは「71」で回りトップと8打差としている。

2013年 WGC キャデラック選手権