メンタルゲーム スネデカーの「13」にまつわるエトセトラ
Dr. Gregg Steinberg Special to PGATOUR.COM
米国ツアーで今、最もホットな選手はブラント・スネデカー。ラッキーナンバー「13」が、2013年「AT&Tペブルビーチナショナルプロアマ」でスネデカーに幸運をもたらした。というのはゴルフチャンネルの特集が、スネデカーのショット前のルーティン(決まった行動)が、丁度13秒かかるということを図解したのだ。驚くべきことに13秒のルーティン行動は、ドライバーであっても、アイアンであっても、パターの時も常に同じだけの時間(13秒)を要するもの。状況が変わっても、ルーティンは不変というわけだ。
日本人が「4」という数字を好まないのと同様、「13」は一般的にアメリカ人が最も嫌う数字だが、スネデカーにとっての「13」は、最高の結果を生み出すための数字であるらしい。それどころか彼は終始「13」を貫くことで、感情のコントロールができているのだ。
ひるがえって我々の日常生活はどうだろう? 毎朝、同じ順路で出勤していませんか? 馴染みの定食屋の一軒くらいありますよね? 一貫性は生活に不可欠なもので、人々の精神を安らかなものにしてくれるのだ。
スネデカーの場合、ルーティンによる一貫性が、無意識にボディに訴えるのだろう。ここ最近の米国ツアーでの大きなプレッシャーがかかる場面も、ホームコースで仲間と楽しくラウンドしているのと何ら変わらないように。
ラッキーナンバー「13」のお陰でリラックスした状態を保てるスネデカーは、美しいスイングから快打を次々と放つ。それがシーズン開幕戦であっても、メジャー大会の最終ホールであっても。
当然のことながら、ここ一番でルーティンを変えてしまうと、何かが“しっくり”いかなくなり、不安は増し、結果としてスイングに悪影響が及んでしまう。不安が同居するスイングは、例えプロであれミスショットの誘因となる。
しかし「13」秒のルーティン行動は、一定の時間という以上に大切な要素をスネデカーにもたらしている。スネデカーのプレーをご覧になった方なら、彼が毎回同じポイントを気にかけていることにお気づきだろう。スネデカーは毎回の13秒のルーティン行動で、どんな時も必ず、腰まわりをリラックスさせていることに気付くだろう。
そこで、皆さんがアドレスに入る前にお勧めな3つのルーティンをご紹介しよう。スイング前にあまり繊細な動きはしたくないと思うので、これなら簡単にできるだろう。
1、フルショットの時もパターの時も、すべてのルーティンに入る前に深呼吸をしてみよう。きっと不安が取り除かれるはずだ。
2、自分のショットを、具体的にイメージしてみよう。ナーバスにならず、自信を持ってスイングできるだろう。
3、周囲の雑音を遮断して、ポジティブに考えてみよう。自分の言葉を信じることだ。
さあ、スネデカーのように一貫したルーティンを身に付けようではないか。いつか自分でもアッと驚くプレーが飛び出したとしても、それは単なる幸運ではない(全ては必然)、と悟ることができるはずだ。