2019年 全米オープン

「日本と全然違う」堀川未来夢が実感したアプローチ難度の差

2019/06/13 11:26
メジャー初出場の堀川未来夢は日本ツアー初優勝の喜びを胸に秘めてプレーする

◇メジャー第3戦◇全米オープン 事前情報(12日)◇ペブルビーチGL(カリフォルニア州)◇7075yd(パー71)

メジャー初挑戦となる堀川未来夢が米国を訪れるのは大学生以来だという。試合に出るのは学生時代も含めて初めて。開幕前日までに美しいペブルビーチGLの18ホールをチェックすると、「海風は重たさが日本と全然違う。キレイなコースというのが第一印象。でも、かなり難しくて、あしたから景色を見ている余裕があるか心配…」と警戒心は高まるばかりだった。

5月の最終予選会を通過してたどり着いた舞台。「日本ツアー選手権森ビル杯」でツアー初優勝を飾った翌日に渡米し、事前ラウンドでまず面食らったのがチップショットの難しさだ。「グリーン周りのラフの芝質が日本と全然違う。それに長さが一定でない。同じラフでも打ち方を変えないといけない」と驚いた。

丁寧な説明を続けてくれた。当地の芝は「(ウェッジのヘッドが)抜けたり、抜けなかったり。球が飛んだり、飛ばなかったり、上がったり、上がらなかったり…。“出玉”が無限に、何通りもあると感じました」。数日前に優勝したばかりの茨城・宍戸ヒルズも厳しいセッティングで知られるが、大きな違いがあるという。「宍戸のラフも強かったですけど、すべて“立って”いて、ボールがハマるような感じだったので、すべて同じような打ち方で(対処できた)。ヘッドもしっかり抜けますし、同じ打ち方をしたら安定して球が出てくれた」。それが、こちらでは勝手が違う。「同じ打ち方をしても、(球の)出方が変わってくる」という。

堀川未来夢は開幕前日の練習ラウンドでもチップショットを繰り返した

だからこそ、短い事前練習ではウェッジゲームを重視した。少しでも慣れるため、様々なアプローチにトライ。「応用力が大切。とにかく数をこなして、どうやって球が出るのか、いろんな打ち方を試した。ラフに入れたら1ペナルティ、0.5ペナルティくらいの感覚。ダブルボギーにならないようにしっかりやりたい」と気持ちを引き締めた。

これまでの経験からは想像を超えた難しさ。それがメジャー。「先週の勢いのまま行ったら、おそらくヘマをする。切り替えて、イチから。調子が良いと思うとワナにはまると思う。少し謙虚に最初の2日間を回れたらなと思います」。待望の初優勝の余韻に浸る様子はまだない。(カリフォルニア州ペブルビーチ/桂川洋一)

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