2019年 ザ・メモリアルトーナメント

ニクラスがウッズの復活優勝を称賛 メジャー最多勝利更新も期待

2019/05/29 10:16
2012年のメモリアルトーナメント。優勝したウッズとホストのニクラス(Andy-Lyons-Getty-Images)

◇米国男子◇ザ・メモリアルトーナメント 事前情報(28日)◇ミュアフィールドビレッジGC(オハイオ州)◇7392yd(パー72)

メジャー通算18勝のジャック・ニクラスが、タイガー・ウッズの完全復活を喜んだ。ホスト役を務める「メモリアルトーナメント」の開幕2日前の公式会見に出席。4月の「マスターズ」を帝王の視点で振り返った。

ニクラスはオーガスタで初日に恒例の名誉スターターを務めた後、週末はバハマでバカンスを楽しんでいた。日曜日にテレビの前に座ったのは最終組がバックナインに入ったあと。12番(パー3)で優勝を争っていたフランチェスコ・モリナリ(イタリア)、ブルックス・ケプカらが次々とグリーン手前のレイズクリークにティショットを落とす様子を目にして驚いたという。

「(グリーン手前、クリーク奥の)バンカーの右側に打ってはいけないんだ。あそこに打って、何人の選手が敗れていったことか。タイガーはバンカーの左(上)からグリーンの中央にきっちり乗せた。あれで試合は決着したんだよ」

同ホールでトップに立ったウッズは、2005年大会以来となるマスターズでの5勝目、2008年「全米オープン」以来となるメジャー通算15勝目をマーク。ニクラスは「彼は(終盤に)特別なプレーをする必要がないことを分かっていた。いいプレーを、無駄のないプレーをすればよかった」と経験に裏打ちされた冷静な試合運びを称賛した。

1986年にニクラスはマスターズを大会史上最年長の46歳で制し、メジャー18勝目を飾った。「みんなは、私が86年にやったことと関連付けたいと思っているんだろうが、あの勝利は奇跡的なものだった。あの頃の私にとって、ゴルフは自分が一番に優先すべきものではなかった。もちろん準備はしたが、楽しむためにゴルフをやっていた」と振り返る。

「一方でタイガーはどうだ。彼はケガから懸命に復活した。頭でできることを考え、自分を信じられるようにならなくてはいけなかったんだ」。ウッズは現在の健康状態が続けば、「おそらく私の記録を破るだろう」と、今後のメジャー最多勝利数の更新も再び期待。2週後にカリフォルニア州ペブルビーチGLで行われる「全米オープン」の優勝候補にも挙げた。

ウッズは今週「全米プロ」以来となる2週ぶりの試合で、まずはサム・スニードが持つ米ツアー史上最多優勝記録に並ぶ82勝目がかかる。(オハイオ州ダブリン/桂川洋一)

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