2019年 マスターズ

サイン拒否の恨み? 首位ケプカと3位ミケルソンの縁

2019/04/12 12:30
首位発進のブルックス・ケプカはメジャー4勝目をマスターズで狙う

◇メジャー第1戦◇マスターズ 初日(11日)◇オーガスタナショナルGC(ジョージア州)7475yd(パー72)

2018年に「全米オープン」、「全米プロ」のメジャー2冠を達成したブルックス・ケプカが最高のスタートを切った。最終組のティオフで、日が傾きかけた後半12番(パー3)から4連続バーディを奪うなど、ノーボギーで「66」をマーク。ブライソン・デシャンボーと並び6アンダー首位で滑り出した。

今季米ツアー開幕直後の昨年10月、韓国で「ザ・CJカップ@ナインブリッジ」を勝ってから少し鳴りを潜めていたケプカは、しっかりオーガスタに向けて仕上げてきていた。今年に入って「ザ・ホンダクラシック」の2位タイ以外はトップ10入りがなく、直近3試合は予選落ち、56位タイ、56位タイという成績がいきなり好発進に転じた。大幅な減量がたたったという周囲の声もどこ吹く風だ。

「メジャーには同じルーティンで臨んでいる。ストレスもない。いつも同じ人が僕の周りにいる。ここ4年、16回のメジャーでそうしてきた」。午前中の他選手のプレーもテレビで眺めてきたが、「ピンポジションを確認していただけ。他の人のことは気にしない。どんなゴルフをしようが、僕(のスコア)には影響がないからね」と、どっしり構えている。

28歳のケプカにとっては、オーガスタで忘れられない思い出がある。少年時代、自宅のあるフロリダから父に連れられ「マスターズ」の観戦に訪れたことがあった。「1998年ごろの話なんだけど」。当時はプロのサインを集めていた小さなパトロンのひとりだったが、今も忘れられないのが、フィル・ミケルソンに断られた記憶だ。

フィル・ミケルソンはケプカを1打で追う

たまたま機嫌が悪かったのか…ファンサービスで知られるレフティとの思い出だからこそ「僕はおそらくフィルにサインを拒否された、たったひとり子どものはずだ」と笑う。5年前の「全英オープン」を控えた練習ラウンドで一緒になったとき、ケプカは「僕はあなたがずっと嫌いでした!」と伝えたとか。もちろん、これはジョークだけど。

マスターズ4勝目がかかるミケルソンはこの日、1打差の5アンダー3位と好位置につけた。初日の「67」は大会3勝目を飾った2010年以来となる好スコアで、勝負を挑んでくる。ケプカにとってはあのときの“恨み”を晴らす絶好の機会になる? (ジョージア州オーガスタ/桂川洋一)

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