謎のスティック ~中野義昌カメラマン「マスターズ」紀行(3)
2019/04/11 16:50
はじめてのマスターズ取材
「ようこそ!マスターズへ!」。オーガスタナショナルGCに足を踏み入れると、ボランティアスタッフの皆さんの声が響く。他のトーナメントでは見られない光景に、仕事とはいえ、何だか気分が高揚する。
場内に敷き詰められた、どこまでも続く鮮やかな緑の芝生。フワフワのじゅうたんのようで、寝転がりたくなるほどだ。テレビで想像していたよりもずっと広く感じるのはなぜだろう。ゴルフを始めて30年が経つが、こんなにキレイなコースでプレーしたら、ターフを取ったりしたら悪いかな…って、ビビッてボールがトップばかりしそうだ。
景色に感動していると、“謎の棒”を持った人々が各所にいることが分かってきた。何をしているんだろう? 彼らはゴルフなんてまるで興味がないかのように、ウロウロと地面を凝視して歩いている。よくよく観察すれば、その手にある棒で細かいゴミを見逃さず懸命に拾っているではないか。こんな光景、どこかで見た。…ディズニーランドだ!
目の前にひろがる美しい風景は、彼らの小さな仕事の蓄積が生んだもの。オーガスタナショナルGCでは「パトロンに不快な思いをさせない」という意気込みのようなものを感じる。そう、ここは夢の国。緑の楽園なのかもしれない。