2019年 マスターズ

マスターズ5勝目なるか ウッズのカギ握る『脳内図書館』

2019/04/10 11:46
練習ラウンドをするウッズ。マスターズは22回目の出場となる(Mike Ehrmann/Getty Images)

◇メジャー第1戦◇マスターズ 事前情報(9日)◇オーガスタナショナルGC(ジョージア州)7475yd(パー72)

大会通算4勝。タイガー・ウッズは22回目の「マスターズ」を再びトップフォームで迎える。オーガスタには7日(日)に早くも姿を見せ、夕方から練習ラウンドを開始。その日は一番遅くまで練習場に居残り、熱心に調整を重ねている。

2005年大会以来のグリーンジャケット獲得を目指すウッズは、開幕2日前に公式会見に出席した。腰痛などの故障からツアーに戻り、3年ぶりとなった前年の出場は「カムバックへのプロセス」の意義を強調していたが、今年は違う。昨年9月のシーズン最終戦「ツアー選手権」で手にした5年ぶりの優勝を手みやげにオーガスタに凱旋。「イーストレイクで勝ったことで、僕はまだ勝てるということを証明した」。そして「まだまだうまくなって、まだ勝とうとしている」とマスターズ5勝目、メジャー15勝目への意欲は再び高まった。

マスターズで最後に勝ったのは2005年。「僕が初めてここに来たときは、飛距離こそが強みだった。パー5はアイアンで2オンできた。ときにはショートアイアンでもできた」と、ショットで主導権を握った日々を振り返る。いまは経験こそが武器。「年月が経って、さまざまなコンディションにおいて、どうプレーすべきかという知識を蓄積してきた。ここで何度も勝っている選手や攻め方を分かっている選手と一緒に練習ラウンドをしてね」という。「このコースのプレーの仕方に関するちょっとした“図書館”が僕の頭の中にはある」

「このコースの雰囲気は特別なんだ」というのはウッズも同じ。ひとつ例を挙げれば、「ツアー選手権」でのラストシーンは、大ギャラリーがみなスマートフォンを手に写真や動画を撮影していたが、オーガスタは違う。他のツアー競技と異なり、携帯電話の持ち込みが禁じられ、パトロンは拍手と声援を送り続ける。

ウッズは「静かにさえしてくれれば、僕らは写真を撮られようがビデオであろうが気にならない。」と言う一方、「この試合は独特。“純粋”なゴルフがある」と表現した。「ここでは選手がいて、キャディがいて…ロープの中に邪魔なものがない」。次の歓喜の瞬間は、懐かしい景色が広がるはずだ。(ジョージア州オーガスタ/桂川洋一)

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