オープンウィークに「風邪をひいた」 松山英樹は急ピッチ調整
◇メジャー第1戦◇マスターズ 事前情報(9日)◇オーガスタナショナルGC(ジョージア州)7475yd(パー72)
マスターズウィーク直前の5日(金)、松山英樹は自宅のあるフロリダ州からジョージア州に飛ぶなり、金谷拓実(東北福祉大3年)と静かにオーガスタナショナルGCでの調整を始めた。7つ年下の大学の後輩に攻略ポイントを伝授しながらも、会話は最小限に努めていた。「(前週は)風邪をひいて寝ていた。うつさないことが一番だったので…」
2週前の「WGCデルテクノロジーズマッチプレー」を終え、フロリダの自宅でのオープンウィークは思わぬスケジュール変更を強いられた。体調不良で「練習ラウンドは1、2回。感覚もなかった。きのう(8日)くらいから治ったんじゃないですかね」。週が明けて、ようやく本気モードになれたところだ。
午前中に雷雨となった開幕2日前の9日(火)は、午後にアウト9ホールを回った。コース上にたまった水分を乾かす、オーガスタ自慢のサブエアシステム(地下に埋められた排水機能)の轟音が響く中、アレックス・ノレン(スウェーデン)、ティレル・ハットン(イングランド)と一緒にプレー。6年連続8回目の出場。コースチェックの意味合いよりも、自身の状態を上げることに必死な様子がうかがえた。
オーガスタは「やっぱり、ピンポイントに打っていかないといけないことが分かりきっている」という。だからこそ「そこに対して打てるかどうかという不安しかない」。2015年に5位。「あと一歩」に迫った記憶もあるが、何度も痛い目にあってきた。直近4年はいずれもトップ20を守っている思い入れの強いメジャーだからこそ、不安と不満はきりがない。
少しでも松山の気持ちを和らげるのは、この日発表された予選ラウンドの組み合わせ。気心知れたPGAツアーの仲間であるアダム・スコット(オーストラリア)、カイル・スタンリーとの3サムになった。「ふたりとも回りやすいんで、良かったなと思います。それで良いスコアになればいいんですけど…。でも、あまり気を遣わずに回れるなという感じがします」
今シーズンは尻上がりに状態を上げる試合を繰り返し、2019年に入って3度のトップ10入りを決めている。「フラストレーション?たまっていますけど、それをあと一日でどうにかしたいです」と口を結んだ後、ドライビングレンジに2時間居残り。その分の体力は戻っている。ここ数日ぐずついた空模様はこの先、回復傾向にある。(ジョージア州オーガスタ/桂川洋一)