2019年 バルスパー選手権

ポール・ケーシーの主張「勝利のために安定を犠牲に」

2019/03/25 16:54
大会初の連覇を達成したポール・ケーシー(Cliff HawkinsGetty Images)

◇米国男子◇バルスパー選手権 最終日(24日)◇イニスブルックリゾート&GC(フロリダ州)◇7340yd(パー71)

世界ランク1位のダスティン・ジョンソンと最終組で回ったポール・ケーシー(イングランド)が、1オーバー「72」とスコアを落として通算8アンダーでフィニッシュしたが、誰もケーシーのスコアを越えることはできなかった。

「自信はあった」と、昨年大会の覇者はいう。「去年ここで勝ったことで、かつて欧州ツアーでコンスタントに勝っていたときと同じような精神状態に戻ってきた。みんな忘れてしまうし、たしかにめちゃくちゃ勝ってはいないけど、世界中で17勝っていうのは悪くないと思うんだ」。

前週の「ザ・プレーヤーズ選手権」は予選落ち。だが、それも「良いことだったと思う」という。ここ数年は安定したプレーヤーだったと自認するが、いまは「より多くの勝利のために、その安定のある部分をほぼ諦める」戦略を取っているからだという。

「ローリー(マキロイ)やダスティン(ジョンソン)も予選落ちをするけど、頻繁に勝っている。みんなは予選落ちをしないタイガー(ウッズ)を観ることに慣れちゃっているんだろうけど、いまの時代は予選落ちすることも普通だよ。ゴルフスタイルがとてもアグレッシブになっているのだと思う」。

この日は4バーディ、5ボギーと出入りの激しいゴルフだった。7番と17番での2度の3パットを悔やんだが、「コースはとても難しいので、ミスをしないラウンドは不可能に近い。でも、自分は落ち着いていた。良いプレーをしようと集中して、ミスはしたけど他の人も同じだろう?仕事をやり遂げて、これ以上幸せなことはないよ」とにやりと笑った。

昨年、米ツアーで9年ぶりの勝利を挙げるまでに、ケーシーは離婚や怪我など、幾多のアップダウンを乗り越えてきた。現在41歳。09年に世界ランク3位までたどり着いた男が、この勝利で同11位まで再浮上した。「もちろん世界1位になれたら嬉しい。まだ到達できるとは思わないけど、書き記している目標をすべてクリアしたらなれるかもね。でも、もしそうなったら、いろいろ面倒なこともあるだろうけど(苦笑)」。この人を食ったような受け答えも、またケーシーの魅力だ。(フロリダ州パームウォーター/今岡涼太)

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