小平智は“スタジアム16番”デビューでバーディ奪取
◇米国男子◇ウェイストマネジメント フェニックスオープン 初日(31日)◇TPCスコッツデール(アリゾナ州)◇7261yd(パー71)
プレー中のリアクションが普段は少ない小平智も、このホールばかりは笑顔が光った。後半16番、巨大スタンドに全周を囲まれたツアーの名物パー3。9Iでピン奥3mをとらえ、バーディパットを沈めると、大歓声が響き渡った。「右からの風で気持ちよくピンの方向に打ち出せた。良かったです。緊張するよりも楽しかった」。3バーディ、3ボギー「71」。イーブンパー71位タイで出た第1ラウンドのハイライトだった。
大会初出場の小平は、午前スタートの穏やかなコンディションも活かして幸先よく滑り出した。出だしの1番はAWでの第2打をピンそば1.2mにつけてバーディ発進。6番は137ydから30cmに絡めて2つ目を決めた。
正確な1Wショットを続け、前半のフェアウェイキープ率は100%。第1打を初めてラフに入れた14番でつまずいた。グリーン右サイドからウェッジで寄せた後、1.2mのパーパットを外した。15番(パー5)ではフェアウェイから3Wでの2打目を左の池に入れて2連続ボギー。「ライがあまりよくなかった。左足下がりで、それでダフっちゃいました」と悔やんだ。
この日、16番でバーディを決めたのは小平を含めて23人(平均スコア2.886)。熱狂のホールを経て、17番では1Wショットを左のネイティブエリアに入れ、2オン3パットのボギーで再びイーブンパーに戻った。それだけに「気持ちよくない、気持ちいい(16番)、気持ちよくない…で“チャラ”でした」と出入りの激しい終盤ホールが心残りだ。
前週まで「ソニーオープンinハワイ」、「ファーマーズインシュランスオープン」と2試合連続の予選落ちを喫している。カットラインのすぐ下で迎える2日目に向け「きょう回った感じではそんなに嫌いな、苦手なコースじゃなさそうなんで。あした頑張りたいなと思います」と勇んだ。(アリゾナ州スコッツデール/桂川洋一)