最終戦勝者が年間王者に ポイント1位は10アンダー開始のハンディ
◇米国男子◇ツアー選手権 事前情報(18日)◇イーストレイクGC(ジョージア州)◇7385yd(パー70)
PGAツアーは18日(火)、ジョージア州イーストレイクGCで記者会見を開き、来年度のフェデックスカップの規定変更を正式発表した。プレーオフ最終戦「ツアー選手権」は大会前のポイント順位に応じて各選手にストローク差を設定し、同大会優勝者が年間王者になる。また、ポイントランキングに応じたボーナスが増額され、年間王者は500万ドル増の1500万ドル(約16億7910万円)を獲得することが決まった。
今季まで全4試合で行われていたプレーオフシリーズは3試合となる。レギュラーシーズンを終えた段階のフェデックスカップポイントランキング上位125人が第1戦の「ザ・ノーザントラスト」に出場、同大会終了後の上位70人が第2戦「BMW選手権」に進み、最終戦「ツアー選手権」は第2戦終了時の上位30人が出場権を得る。
「ツアー選手権」では、大会前のポイントランクトップの選手は第1ラウンドを10アンダーから開始。ランク2位の選手は8アンダー、同3位は7アンダー、同4位は6アンダー、同5位が5アンダーに設定される。6位から10位は4アンダー、11位から15位が3アンダー、16位から20位が2アンダー、21位から25位は1アンダーからスタート。26位から30位の選手はイーブンパーで初日に臨む。
ストロークのハンディキャップ制を用いることで、プレーオフ第2戦までの積算ポイントは事実上なくなり、最終戦の優勝者がそのまま年間王者となる。総額3500万ドル(約39億1791万円)で争われていたフェデックスカップは、6000万ドル(67億1642万円)に増額された。これまで1000万(約11億2000万円)だった年間王者へのボーナスは、1500万ドル(約16億7910万円)となる。「ツアー選手権」の大会賞金は設定されない見通し。
フェデックスカップレースは2007年に導入され、最終戦に出場する30人全員に年間王者戴冠のチャンスを与えてきたが、大会中、途中の順位に応じてポイントランクが上下し、動向が分かりづらいという問題点があった。ジェイ・モナハンPGAツアーコミッショナーは変更によって「現行システムと比べると、フェデックスカップの争いがシンプルになる」と強調。「ファンはフィールドの中でどの選手が(年間王者に)近いのかがすぐに分かる。もちろん、選手たちも自分がどのポジションにいるのかが分かるためドラマが増えるだろう」と話した。
一方で問題点も指摘されている。プレーオフ第2戦までにいくら勝利を重ね、好成績を収めても、最終戦の順位が最終的なフェデックスカップランクやボーナスの額に直結する。
また、同大会はハンディキャップ戦になることで、最も少ないストローク数で72ホールを終えた選手が優勝できない可能性があるため、世界ランキングポイントの配分は現段階で未定となっている。ツアー幹部は「世界ランクポイントに関しては(ツアー外の機関との)話し合いが続いている。まだ結論に至っていない」と話すにとどめた。(ジョージア州アトランタ/桂川洋一)