2018年 全英オープン

ヘリコプターで間に合った…ジョナサン・ベガスに起こった珍事

2018/07/20 11:22
トラブルに見舞われたがベガスは初日のティオフに間に合った(Harry HowGetty Images)

◇メジャー第3戦◇全英オープン 初日(19日)◇カーヌスティ(スコットランド)◇7402yd(パー71)

その男は、空からカーヌスティに舞い降りた。メジャー今季第3戦の初日、米ツアー3勝のジョナサン・ベガス(ベネズエラ)はスタートの2時間前に今週初めて会場に到着。華々しい開幕日に、人知れずハプニングが起きていた。

ベガスは昨シーズンの米ツアー最終戦「ツアー選手権」に進出した、フェデックスカップポイントランキング上位30位の資格で、約10カ月前には全英出場を決めていた。ところが事前の練習ラウンドを目的に、米国から渡英するつもりだった前週12日(木)、パスポートを確認すると、英国でのビザの有効期限が切れていることを発見した。

すぐに滞在していた米ニューヨーク州の英国領事館に問い合わせ、ビザの発給を申請したが、連絡が来たのは今週16日(月)。ベガスが住むテキサス州ヒューストンでないと、受け取れないという。「領事館の前に車を停めて、7時間も待っていたんだ…」。18日(水)に新しいビザが下りるやいなや、カナダ・トロントを経由してこの日の早朝にスコットランド・グラスゴーに到着。関係者に手配してもらったヘリコプターに乗って、午後3時32分のティオフの数十分前にカーヌスティに入った。

不幸はさらにもうひとつ。自身の使うクラブが入ったキャディバッグが、この日のラウンドまでに届かなかった。事前にキャディに連絡して、準備させた新品のスペアクラブでスタート前に20球ほど練習。なんとか遅刻でペナルティを受けることなくティオフした。

「おかしな遠征になり、イライラしたけれど…誰かのイタズラなんじゃないかと思ったよ」。これが正真正銘のぶっつけ本番。1バーディ、6ボギー「76」で回り、5オーバーの129位タイと出遅れた。(スコットランド・カーヌスティ/桂川洋一)

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