攻めたい自分と逃げたい自分…落胆の松山英樹「何もできなかった」
◇メジャー第2戦◇全米オープン 3日目(16日)◇シネコック・ヒルズGC(ニューヨーク州)◇7445yd(パー70)
自ら放ったパットのラインに何度も視線を落とした。首位と9打差の26位から出た松山英樹は「79」とし、通算14オーバーの54位に沈んだ。上位との差を詰めたかったが、2度の4パットをするなど停滞。トップとの差は11打に広がった。
快晴に風が吹く。ボールの転がりを不規則にするポアナ芝の混在したグリーンは乾いた。「昨日よりスピードが上がり、対応できなかった」と松山。前半2番(パー3)で4mの最初のバーディチャンスを外すと、首を傾げてラインを見つめた。
アプローチが傾斜を転がり戻った5番(パー5)でボギーを先行。7番でチャンスを外すと、悪い流れはスコアに直結した。グリーン奥から1.5mに寄せた8番。1パット目を外すと、2m以内がカップに蹴られるなど計4パット。トリプルボギーに終わり「ミスパットが1回もなくて4パットするのは初めてだった…」と動揺を残す。続く9番では「頭の中にあって、うまく打てなかった」と3mのバーディパットを外した。
風は強くなり、傾斜の激しいグリーンは硬さを増した。すべてパーオンを逃した13番から3連続ボギーを喫した。16番(パー5)では、再び悪夢。ピン下7mのバーディパットは1mオーバーした。返しを外すと、2mのボギーパットをそらした。「払しょくしようと思っていたけど…」。この日2度目の4パットにギャラリースタンドからため息が漏れた。
原因を「ラインの読み違いやスピードに対応できなかった」とした。「これだけ入らなかったら、ストロークが悪いのかなと思い始めますよね」。
1ラウンドで9オーバーとしたのは、23度目のメジャーで自己ワースト。追い上げを図りながら、ショットも振るわず「厳しいピンに、攻めたいと思っている自分と逃げたい自分がいる。まだちゃんとしたものが出来ていないという感じ」と吐露した。
逆転は絶望的になった。バーディなしに終わった松山は「それはしんどいけど、やりたいゴルフを何もできなかったのが一番悔しいですね」と落胆の色を浮かべた。(ニューヨーク州サウサンプトン/林洋平)