2018年 AT&Tバイロン・ネルソン

埋め立て地にアメリカンリンクス 松山英樹は「イギリスみたい」

2018/05/17 08:51
開幕前日のプロアマ戦に出場した松山英樹。まるで英国のコースのよう

◇米国男子◇AT&Tバイロン・ネルソン 事前情報(16日)◇トリニティフォレストGC(テキサス州)◇7380yd(パー71)

景色はまるで「全英」だ。丸山茂樹が歴代王者(2002年)に名を連ねる大会は第50回開催の今年、TPCフォーシーズンズから、直線距離で約28km南東のトリニティフォレストGCに会場を移した。ダラスのダウンタウンの南、以前はゴミの埋め立て地だった場所に2年前に開場。トリニティ“フォレスト”の名とは異なり、ショットに直接的な影響を及ぼす木がほとんどない。

コースの外周は森になっており、その周辺に海はない。ただ、設計家のビル・クーアと「マスターズ」2勝のベン・クレンショーが目指したのはリンクススタイル。広大なフェアアウェイと短いラフ。その両サイドには背の高い雑草が生い茂る。使用された芝種ゾイシアは、特徴がスコットランドなどのコースに多いフェスキューに最も近いという判断から採用されたという。

一昨年に開場したトリニティフォレストGC。その様相はリンクスだ

大会自体に初出場となる松山は「フェアウェイは広いけど、曲がると大変」と話した。巨大なグリーン上の激しいうねりもショットのコースを限定する。「すごい形状なんで、ピンポイントに打たないとチャンスにつかない。逆に良いショットがチャンスにならないこともある。そう考えるとイギリスに似ているのかなあ。デコボコしていて」。3番と11番(パー5)で共有されるグリーンの大きさは約3250㎡。横幅が約110ydもあり、“のっただけ”ではまったく喜べない。

ほとんどのホールで風を遮るものがなく、「距離が短いところは短いし。風がどれだけ吹くかによってスコアは変わるんじゃないですかね」と松山。そうかと思えば打ち下ろしのパー3である8番(パー3)では、わずか140ydながらグリーンの奥は谷。そのさらに向こうにはコース外周の森が構えており、風の流れを分かりにくくしている。

プロアマ戦に出場した小平智。大溝雅教キャディと一緒に

バラエティに富んだホール構成に小平も「グリーン上もそうだけど、アプローチも難しい。いかにピンに寄せられるか。外した時のマネジメントが必要だと思います。ショートホールはどこも難しい」と警戒した。

ちなみに開幕前の予報では、今週のダラス地方は毎日晴れ。日中の気温は35℃前後とされている。選手もキャディも木陰で休むことは難しく、体力の維持も大変だ。全英とはまったく異なる気象条件もポイントになるかもしれない。(テキサス州ダラス/桂川洋一)

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