谷原秀人「元気が出た」停滞ムードを変えた松山英樹の渾身イーグル
◇米国男子◇チューリッヒクラシック 2日目(28日)◇TPCルイジアナ(ルイジアナ州)◇7425yd(パー72)
首位と3打差の11位で出た松山英樹、谷原秀人のペアはスコアの伸ばしやすいフォアボール形式(各選手が自分のボールを打ち、各ホールで良い方のスコアを採用する)で1イーグル5バーディ、1ボギー「66」で通算9アンダー23位。順位は後退したが、序盤の悪い流れを断ち切った“価値ある巻き返し”で決勝ラウンドに進出した。
曇天の下で漂った重たい空気。好スコア必至のフォーマットで、強風も影響して4番で早々に1ボギーを喫した。予選落ちに終わった同組で、リオ五輪金銀のジャスティン・ローズ(イングランド)、ヘンリック・ステンソン(スウェーデン)ペアとともにバーディを奪えない序盤の展開。谷原が「苦しかった。(流れが悪く)ちょっと暗かったですもん」と苦笑いで振り返ったように、組全体を停滞ムードが覆った。
そこを松山のひと振りが変えた。前半7番(パー5/561yd)。右から吹き抜けた風をモノともせず、残り200ydから7Iでピン上5mにオン。下りのスライスラインを決めると、力強くガッツポーズ。東北福祉大学の先輩・谷原は「よく流れを変えた。ここから元気出していこう!」と盛り上げた。松山自身も「バーディだったら(流れは)変わらなかった。ここから気持ちを切り替えられた」と渾身のイーグルで、キャディを含めた4人の流れが変わった。
勢いがついた松山と谷原ペアのゴルフは、続く8番から谷原、松山、谷原と交互に3連続バーディ。12番(パー4)では、谷原が3打目を先にピンそばに運ぶと、グリーン右から松山がチップインバーディを決めた。
ともにフェアウェイから2打目を放った左ドッグレッグの13番(パー4)。先に打った谷原がピン右60cmにつけると、松山は50cmに絡めた。グリーン右サイドにある当地名産の牡蠣が食べられる野外スタンドからは、日本人ペアに大きな歓声が飛んだ。「どっちか入ってくれたら良かったのに」と悔やんだ谷原が、しっかりバーディパットを沈めた。7番からの7ホールで7つスコアを伸ばした。
その後はパーを並べる展開になったが、首位とは6打差。決して万全ではなく、松山は1Wで苦しみ、谷原はグリーン上で苦戦した。3日目は、初日同様にスコアを出しにくいフォアサム形式(1つのボールを交互に打つ)になる。松山が「少しでも伸ばせたら最終日が楽しみになる」と言うと、谷原は「徐々にショットが良くなってきた。上手く英樹と噛み合えばいい」と決勝ラウンドを見据えた。(ルイジアナ州ニューオリンズ/林洋平)