チップインイーグルも!石川遼はショット充実「継続が大事」
◇米国男子◇ファーマーズインシュランスオープン最終日(29日)◇トーリーパインズGC(カリフォルニア州)◇サウスコース7698yd(パー72)
充実の内容で4日間を締めくくった。2アンダーの42位タイから出た石川遼は18番(パー5)でのチップインイーグルのほか5バーディ(3ボギー)をマークし、「68」で通算6アンダーの20位タイでフィニッシュした。
前日3日目はパットでミスが相次いで、イーブンパー。「きょうはきのうの悔しさだけでやっていた」という石川は、2つスコアを伸ばして迎えた前半15番からの2連続ボギーにも、落胆の色を見せなかった。17番でグリーン右手前のラフから、見事なロブショットを披露してパーを拾うと、折り返しのホールで報われた。
フェアウェイから102ydを残した18番の第3打。AWで放ったボールは奥の段に着弾し、下り傾斜で鋭くスピンバック。ボールはピンに正面からぶつかり、カップに消えた。「ちょっと奥に落とし過ぎたかと思ったけれど、ちょうど良かった。入っていなかったら、グリーンをこぼれていたかもしれない」と思わずバンザイ。スタンドの大歓声を呼んだ。
後半もアイアンが冴え、さらに2つ伸ばしてホールアウト。2番からの2連続バーディはいずれもピンそば1mのチャンスを生かしたものだった。終盤は7番、8番(パー3)と2mのしびれるパーパットを沈め、難関サウスコースでの自己ベストスコアをマークした。
72ホールでパーは38ホール(19バーディ、13ボギー、1イーグル、1ダブルボギー)と、出入りが激しかったが「パットが悪くてこのスコアはあまりない」と自身も驚く出来だった。「ショットがこう良かったのはPGAツアーでは記憶がない。良い方向に行っていると現時点では思う」。インパクトの安定感向上を目指すスイングづくりへの手応えが深まった。
それでも手放しで喜ぶ様子はない。ショットの好感触は「まだ半信半疑」。不振のパットは「練習が必要」と最終日のラウンド後もコースに居残ってボールを転がした。スコアメークについても「きょうは運があった。6番なんか、ティショットでみんな(同伴競技者も)右ラフに入ったんですけど、僕だけ球が浮いていた。『こんなに運があるのに、このスコアか』という気もする。もっと努力している選手は、もっと行けたのかな…」と思った」と、幸運を生かしきれなかった自分も感じている。
「継続していくことが大事。技術が自信につながるように努力しないといけない」。新年初戦から2週連続で決勝ラウンドをプレー。次週は「ウェイストマネジメント フェニックスオープン」に出場する。(カリフォルニア州サンディエゴ/桂川洋一)