予選落ち危機でイーグル奪取 松山英樹は5打差で週末に
◇米国男子◇ファーマーズインシュランスオープン2日目(27日)◇トーリーパインズGC(カリフォルニア州)◇サウスコース7698yd、ノースコース7258yd(ともにパー72)
1アンダーの47位タイから出た松山英樹はノースコースを「70」でまとめ、通算3アンダーの21位タイで決勝ラウンドに進んだ。予選通過が気になるポジションで迎えた後半に起死回生のイーグルを決めて巻き返し、首位とは5打差だ。
全選手が2コースを回る予選ラウンドで、2日目の平均スコアはサウスコースの「74.013」に対し、ノースは「71.805」。上位進出へ好スコアが必須だった松山は序盤に後退した。前半12番(パー3)で、第1打をグリーン左手前のラフに打ち込んでボギーが先行。13番では1Wショットで左サイドに大きく曲げ、2打目はグリーンに背を向ける格好でフェアウェイにレイアップ。花道からの4打目をピンそば50cmに寄せて2連続ボギーで切り抜けたが、その後もバーディチャンスを作れない展開が続いた。
強い風が旋回するコンディションにも「風よりも自分自身の問題だった」という。ショットに不満を抱え、「13番で(1Wショットが)左に行ったので、左に行かせないように一生懸命振っていた」。それでも、米ツアー4年目の経験をベースにした、戦況を見据える冷静さは欠いていなかった。「幸いインスタートだったんで、最後の(アウトの)何ホールかはチャンスになる。バーディを獲れずに難しかったですけど、ひとつふたつ伸ばせば通れるのは分かっていた。去年も、一昨年もパープレーで(予選を)落ちたんで」
通算イーブンパーで迎えた5番(パー5)を1W、5Iで2オンに成功すると、13mを流し込むイーグルでガッツポーズを作った。322ydと短いパー4の7番では、1Wで1オンさせて2パットバーディ。最終9番(パー5)も2オンして2パットバーディと、フォローの風になる終盤の3ホールで4つ伸ばしてみせた。
イーグルパットについて「ちょっと届かないかなと思ったけど…。ギャラリーの(声援の)おかげで入りました」と話した松山。2日間、ひとつ後ろの組でプレーしたタイガー・ウッズについても「もうちょっと同組の人のプレーが遅かったら、(ウッズを)見られたんですけどね」と笑った。決勝進出に安堵する周囲をよそに、おどける余裕すら感じさせた。
「ショットがしっかり修正されないと、いくらでもオーバーを打ってしまいそう。しっかり修正したい」と、気を引き締め直すのも忘れない。トップのジャスティン・ローズ(イングランド)とは5打差で迎える週末。ジェイソン・デイ(オーストラリア)も、ダスティン・ジョンソンも、リッキー・ファウラーも消えたリーダーボードで、松山が屈指のビッグネームであることは間違いない。(カリフォルニア州サンディエゴ/桂川洋一)