30時間飛行で松山「ねむ~い」…けどウッズ復帰戦へワクワク
◇米国男子◇ヒーローワールドチャレンジ 事前(30日)◇アルバニーGC(バハマ)◇7302yd(パー72)
9時前にティオフしたプロアマ戦の18ホールを回り終えた松山英樹は、そのまま打撃、アプローチ、パターと練習場でみっちりと調整を行ったあとに、テレビ、そしてPGAツアーのインタビューまでこなして、すべてを終えたのは16時半。「ねむいー!」と大きなあくびを見せたのも致し方ない。
前週は南半球オーストラリアで行われた「ISPSハンダ ゴルフワールドカップ」に出場し、そこから地球を約半周、時差16時間を移動してきた。日曜夜にオーストラリア・メルボルンを出発して、月曜朝に成田着。少し休んで同日午後にニューヨーク経由でフロリダ州オーランドへ飛び、翌火曜昼にオーランドからバハマ入り。乗り継ぎ時間を含まずで搭乗時間は約30時間に及んだ。そのまま午後から9ホールの練習ラウンドの後に日が暮れるまでパット練習を行った。そして迎えたのが、開幕前日のきょうだった。
「疲れはないです。いや、あるけどどうなんですかね。とりあえず眠いです」と、話しながらも寝落ち寸前。自身は予選落ちのない4日間を見据えているが、「みんな1年間やったら疲れているでしょう。来年も年明けが早いし・・・」と、エースキャディとトレーナーには今週お休みをプレゼントしたほどだ。
この日のプロアマ後、松山が練習場に来てみると選手は誰1人いなかった。「なんか違和感あるなぁ」と言いながらも、それでも黙々と打ち込んだ。出場選手18人で予選落ちがなく、賞金ランキング(フェデックスカップランキング)対象外の試合とあって、会場にはどこかしら、ゆったりムードが漂っている。「僕は別に。普通の試合と変わらない」という松山のような選手の方が珍しいだろう。
1年ぶりのコースは、「ティグラウンドが(後ろに)下がっているところもあるし、グリーン周りも難しくて、(グリーンも)速い。去年最下位だから良いイメージもない」と自嘲気味だが、「そう言いながら上海は勝ったからな」と、昨年まで結果の出ていなかった中国のWGC開催コースを引き合いに出し、ネガティブだけでは終わらせない。
タイガー・ウッズの復帰に触れると、「楽しみです。嬉しいですね」と1ファンとしての気持ちも見せたが、「ゴルフ界が盛り上がる?自分も日本でそういう存在になりたい」と、ただの憧れでは片付けなかった。
取材対応を終えた松山の口から漏れたのは「おやすみなさい~~」。大会に向けた気合いは十分感じさせたが、戦いの前にまずは十分な睡眠が必要だ。(バハマ・アルバニー/今岡涼太)