上位に食らいつく7バーディ 松山英樹から石川遼につないだ勢い
◇国・地域別対抗戦◇ISPSハンダ ゴルフワールドカップ 2日目(25日)◇キングストン・ヒースGC(オーストラリア)◇7111yd(パー72)
各選手がそれぞれ自身のボールを打ち、1ホールごとにペアで良い方のスコアを採用するフォアボール形式のダブルス・ストロークプレーが行われた。1オーバーの10位タイから出た松山英樹と石川遼の日本代表は7バーディ「65」をマークし、通算6アンダーの8位タイに順位を上げた。
ひとつのボールを交互に打ち合うフォアサム形式で行われた初日の平均スコアは「73.35」。一方でこの日は「66.57」というロースコアでの争いに、日本チームもしっかり食らいついた。
序盤は2番(パー3)から2ホール続けてパーを拾えなかった石川を、松山が下支えする展開。3mを沈めた4番で最初のバーディを決めた世界ランク6位は、7番で圧巻のプレーを見せた。左からの強い風を計算し、エリアを広く使える右隣の1番ホールのフェアウェイに1Wショットを打つと、グリーン左手前に切られたピンを7Iで攻め込み、ピン奥3mにつけた。会場入りした前週末に開拓していた攻略ルート。パートナーがパーを逃したホールで、バーディを奪いガッツポーズを見せた。
「遼がピンチになったところ(7番)でカバーできた」と松山が言えば、石川も「英樹には常に安定感があって頼りになる。英樹が頑張ってくれると自分のミスが残らない。『もう一回、頑張ろう』と切り替えられる」。松山は11番でグリーン手前の花道からウェッジでチップインバーディ。「遼も(バンカーからの3打目になり)簡単にパーを取れるような状況じゃなかった。まずはボギーを打たないように、と思ったら入ってくれた」
中盤に付いた勢いはその後、相棒が引き継いでいった。松山が1Wショットを左に曲げた12番(パー5)。石川は1Wと3Wとつなげてフェアウェイを歩き続け、残り77ydの3打目をSWでピンそばにピタリ。パーオンを逃していた松山はグリーンに上がると「おれ、もう(打たなくて)いいじゃん」とタップインバーディを促した。14番(パー5)も石川は残り122ydの第3打をPWでピン左2mにつけてバーディ。最終18番では8mのフックラインをねじ込み、互いに手の平を合わせてバーディフィニッシュを喜んだ。
両者の調子は決して望ましいものではない。「チームのボギーはなかったが、僕が(個人で)ボギーを打ってしまうと、攻めていけなくなる。英樹にどんどん攻めてほしいのに」と石川は反省。松山も「ふたりで7バーディは少ない。自分も不甲斐ない」と言った。3バーディの松山がこの日パーオンに成功したのは13ホール、4バーディの石川は11ホール。しかし同じホールでパーオンしたのは6ホールと、互いにパットでバーディチャンスを狙うシーンは数少なかった。
それでも互いのミスを消し合って、ノーボギーでホールアウト。「お互い全然(状態は)良くないけど、その中でまだ、この差でいられる。残り2日で自分たちのパフォーマンスが最大限出せれば逆転は可能」(松山)と、地力の強さを感じさせる。「最終日のバックナインだと思う。自分のショットのクオリティを高めていくしかない」(石川)。単独首位のデンマークとの6打差を、まずはあすの難関フォーマット・フォアサムで詰めていく。(オーストラリア・メルボルン/桂川洋一)