2016年 リオデジャネイロ五輪

メダルを追った池田勇太 「日本」の重みと悔しさと

2016/08/15 08:31
21位で4日間を終えた池田勇太は、ただひたすら悔しさをにじませた

はるか遠くに思えたメダルの匂いを、池田勇太は夢中に追い求めて戦った。オリンピックGCで行われたリオデジャネイロ五輪男子ゴルフの最終日、池田は一時6位タイまで順位を上げたが、終盤にスコアを崩して、この日「69」で通算3アンダーの21位タイ。「この結果が悔しいし、納得できない」と宙の一点をじっと見つめた。

通算1アンダーの26位からスタートした最終日。5番(パー5)でイーグルを奪うなど、10番までに5つスコアを伸ばして通算6アンダーとし、入賞圏内の6位タイまで浮上した。

その時点でメダルを意識した?そう問われた池田は、ふんっと鼻で息を吐いてからこう言った。「意識したかって、そこを目標にやっているんじゃないですか」。

11番でボギーとしたが、続く12番ではティショットを大きく右に曲げながらも、最後は4mのパットをねじ込みパーセーブ。だが、14番、17番と2つのパー3でともにティショットをバンカーに入れてボギーとした。「今日のゴルフは14番以降」とまとめた池田。それ以上、発する言葉が見つからなかった。

「今日はこういう(ギャラリーも大勢入った)雰囲気になって、これがオリンピックのゴルフなんだなってことが思えた。メジャーで日本を代表して戦うのとは全く別もの。学生時代から日本代表として戦ってきて、そういう感覚を久しぶりに思い出せた」と、初めてのオリンピックで収穫は得た。だが、それだけではまだ足りなかった。

「オリンピックにはいつでも出たい。日本を代表して戦うんだから、出たいのは当たり前」と池田はかねて言ってきた。次回の東京五輪にも「もちろん出たい」。だが、出るだけでは満足できない。この悔しさを味わった日本のゴルファーは、まだ2人だけだ。(ブラジル・リオデジャネイロ/今岡涼太)

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