炭酸泉で金メダリストと鉢合わせ?片山晋呉、開幕前日は軽めの調整
開幕をあすに控えたリオデジャネイロ五輪の男子ゴルフ。会場となるオリンピックコースには、空を覆った灰色の雲からパラパラと雨が落ち、長袖を着ていても肌寒さを感じる冷たい風が吹き抜けた。練習ラウンドに臨む選手の数もまばらで、開幕前日は、祭りの前の静けさの中で過ぎていった。
先週木曜日から現地入りしている片山晋呉は、この日は数本のクラブだけを持ってアウト9ホールをチェック。「こんな天気じゃ球も飛ばないし、気持ちも滅入っちゃう」とティショットは打たずに、歩きながらグリーン回りのアプローチとパッティングだけを行った。
こちらに来てから片山が通い詰めているというのは、日本代表を支援するハイパフォーマンスサポートセンターだ。毎日湯船に浸かりたいという片山は、ここの炭酸泉を楽しみにしているという。
先日はウェイトリフティング女子53kg級の八木かなえさんと同じ湯船に浸かり、「可愛くてびっくりした」と頬を緩めた。別の日には、予選を4位で終え、のちに金メダルを獲得した体操男子チームと鉢合わせとなり、「なにか、決勝に向けて気持ちを高めていく雰囲気を感じられて、すごく良かった」と刺激を受けた。「でも、向こうは“誰このオジサン?”みたいな感じで見ていたけど」と苦笑い。
コースは「明らかに飛ぶ人が有利」と片山はいう。それでも「(ゴルフを)長くやっているので、自分の持っているもので上手く乗り切れたら」と立ち向かう準備はできている。「もう一週間いますからね。やっと始まりますね」と、静かに気合いをにじませた。
一方、この日はコースに顔を出さなかった池田勇太は「この天気で練習してコンディションが悪くなっても嫌。今日は部屋でゆっくりして午後に体を少し動かそうと思う。昨日の時点でこういう天気になるのは分かっていたので、不安はない」とコメントを残した。(ブラジル・リオデジャネイロ/今岡涼太)