2016年 全米プロゴルフ選手権

メジャー連続予選落ちの松山英樹へ ケン・ワタナベのエールとは

2016/07/28 07:16
今季最後のメジャーに挑む松山英樹。その集中力は高まっている

バルタスロールの死闘、といえばゴルフファンならよく知る1980年「全米オープン」でのジャック・ニクラス青木功の熾烈な優勝争いのこと。ニュージャージー州の当地で行われる今季のメジャー最終戦「全米プロゴルフ選手権」開幕前日の27日(水)、松山英樹はイン9ホールを回ってコースの感触を確かめた。その様子を連日、ロープの外から熱心に見つめていたのは、世界を舞台に活躍する俳優・渡辺謙さんだ。

ふたりは2014年の米ツアー「ノーザントラストオープン」でプロアマ戦をともにして親交を深め、今週はテレビ番組の収録で会場を訪れた渡辺さん。ベストスコア「80」という熱心なゴルファーで、メジャー2試合連続で予選落ちしている松山について「相当期するものがあると思う。その分、自信というフォーカスが合っていないと思うけど、本戦が始まっての結果が彼の背中を押してくれるようになればいい」とエールを送った。

今週は渡辺謙さんが松山英樹に密着。世界を知る渡辺さんのサポートが心強い

渡辺さんは昨年、ニューヨークのブロードウェイで上演されたミュージカル「王様と私(The King and I)」で、演劇界最高の栄誉とされるトニー賞の主演男優賞に日本人として初めてノミネートされた。自身の経験から、好不調への向き合い方をこうアドバイスする。

「たしかに調子の悪いときもある。でも、その時は “調子の悪いキング”を演じます。それを受け入れて、自分を許すというのかな」。目の前の結果だけに集中し過ぎず、自身を客観視する必要性を強調した。

大舞台に挑む心境は、ゴルフも演劇も通じるものがあるようだ。「まずは、できるだけの準備をする。それは彼(松山)もやってきたと思うけど、ここからはそれを全部捨てて、その時の風や空気やいろんなものを感じながら、まっさらな気持ちでスタートティに飛び込んでほしい。そういうピュアな立ち方をしてもらえたら、4日間楽しめるんじゃないかな」。

あすには今季最後のメジャー大会の幕が上がる。「僕らの稽古を皆さんが見ることはないと思うけど、それは楽しいし、辛いし、勇気がいる時間。それ(ゴルファーにとっての練習ラウンド)を見たかったので月曜日から来たけど、あしたからは応援団に徹します!」と、全力サポートを約束した。(ニュージャージー州スプリングフィールド/今岡涼太)

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