松山英樹が復帰戦で被災地にメッセージ 予選は豪華ペアリング
米国男子ツアー「ウェルズファーゴ選手権」は5日から、ノースカロライナ州のクエイルホロークラブで開催される。今季2勝目を狙う松山英樹は、4月のメジャー初戦「マスターズ」以来の出場。一時帰国中に発生した熊本地震の被災地に向けた思いを、主戦場にも持ち込んでいる。
熊本県内で最初の揺れが起こってから3日後、4月17日に神奈川県内で急遽チャリティサイン会を実施した松山。今週はキャップに赤い缶バッジを付け、キャディバッグには同じデザインのロゴを大きく入れている。
記されているのは「熊本 九州 We are with you」の文字。被災地へのメッセージとともに、地震があったことを米国でも知ってもらう意図から発案した。
今大会に一緒に出場する岩田寛も同様のスタイルで練習中。松山は「配るわけではないんですけど、付けてくれそうな選手にお願いしようと思う」と、さらに賛同者を募りたい考えだ。前週末に会場入りしてから、親交の深いダニー・リー(ニュージーランド)の了解も得た。リーは話を聞くまで、地震があったことを知らなかったという。松山の行動のひとつが、サポートの輪を世界に広げるかもしれない。
優勝争いに加わったマスターズを経て「見直していろいろやっているが、まだまだうまくいかない感じですね。ショットを全体的に直していかないと。ここは(スコアを)伸ばさないといけないコースなのかなと思うんですけど…」と再び試行錯誤している。
今週はスイング調整も含めて、開幕2日前の段階で“再スタート”の意味合いも強そうだが、ツアーからの評価は依然として高い。予選ラウンドの組み合わせは、大会の歴代王者であるロリー・マキロイ(北アイルランド/2010年&15年優勝)、リッキー・ファウラー(12年優勝)と同組になった。
同世代の最注目のペアリングが、大ギャラリーや多くのメディアを引き連れるのは必至。競演が刺激的であることはもちろん、松山のメッセージを世界に発信するには、うってつけのペアリングでもある。(ノースカロライナ州シャーロット/桂川洋一)