苦手コースに一矢 石川遼、粘りでつかんだ初の決勝ラウンド
米国男子ツアー「ソニーオープンinハワイ」2日目を32位からスタートした石川遼は、アイアンの精度に悩まされながらも3バーディ、3ボギーの「70」(パー70)でプレー。通算3アンダーの66位タイでフィニッシュし、今大会3度目の出場にして初の予選通過を決めた。
「ひと段落はつけない感じ」という状況で、粘りでもぎ取った決勝ラウンド進出だった。「アイアンで良いショットは1つもなかった」と、この日のパーオン率は50%と低調。その中で光ったのは、石川の持ち味ともいえるリカバリーショットだ。
グリーンを外した9ホールのうち7ホールでパーを死守し、うち3つはガードバンカーから寄せた。さらに後半の5番、6番では立て続けに1打目を左に曲げ、いずれも前方の樹木でブラインドになるピンチを迎えたが、2打目をグリーン付近まで運んでパーセーブ。「焦ることなくリカバリーできたのは自信につながる」とうなずいた。
アイアンの不調について、ハワイ特有ともいえる地面の硬さも一因だという。「今年は地面が硬すぎて、下に打ち込むショットが怖い感じがする」。実際に練習ラウンドをこなした時点で「肩と肋骨に響いたし、筋肉の炎症みたいな感じになった」と、体への負担は想像以上だった。前半16番では、右バンカーから144ydをピン奥80cmにつけて最初のバーディにつなげた一方で、打った直後は右手で太ももをパチンと叩き悔しそうな表情。「あれも、ちょっと腰抜けショットみたいな感じだった」と、納得の感触からはほど遠いものだった。
「2日間で3アンダーは、恥ずかしながらこのコースで自分のベストだと思う」と言葉に自虐を含ませたが、苦手コースで初の予選通過は、確かな前進を示した。「ドライバー、アプローチ、パットというのは、今までと比べてだいぶ成長しているのかな」。一握りの達成感を胸に、初の決勝ラウンドに向かう。(ハワイ州ホノルル/塚田達也)