男気ゴルフ!? 2位発進の松山英樹「良いラウンドだった」
常夏のマレーシア・クアラルンプールで開幕した米国男子ツアー2015-16年シーズン3戦目の「CIMBクラシック」初日。松山英樹は8バーディ、1ボギーの「65」で回って7アンダーとし、首位と3打差の単独2位で滑り出した。
「良いラウンドだったと思う」と振り返った松山。スタートホールの10番(パー5)を2オン2パットのバーディで飛び出すと、12番ではグリーン手前のバンカーから直接沈めてバーディ奪取。13番でこの日唯一のボギーを叩いたが、14番、16番とその後も2m以内にショットを絡めて、バーディを重ねていった。
15mほどのイーグルパットとなったスタートホールの10番では、同組で回るセルヒオ・ガルシア(スペイン)が、さりげない配慮をみせた。今週、エースキャディの代役として松山のバッグを担ぐのは、今回が初キャディというスリクソンのツアーレップ・藤本哲朗氏。繊細な配慮が要求される状況を察したガルシアは「旗を持とうか?ちょっとトリッキーだからね。ノープロブレムだよ」と言って、自分のキャディを旗竿へと付き添わせた。
松山のこの日のフェアウェイキープ率は14分の11で78.6%。パーオンできなかったのは2ホールだけ。自身で歩測をして距離を計算し、ときにはキャディの代わりにバンカーもならした。普段と違った一面も見せながら「ティショットが良かったし、そのおかげでパーオン率も高かった」と、後半も危なげなくスコアを伸ばし続けていった。
「親分肌というのか、引っ張っていってくれる感じがある」と、大粒の汗をぬぐいながら振り返ったのは藤本氏。当の松山本人は「別に何も変わらない」とぶっきらぼうに答えただけだったが、重大任務にプレッシャーを感じているはずの仲間に嫌な思いをさせたくないという男気が、この日のプレーに乗り移ったかのようだった。
「今日みたいなゴルフを4日間できれば優勝できる。でも、それがなかなかできないのがゴルフなので、しっかりと練習したい」。エースキャディの不在を好発進へとつなげた松山は、残り3日間も荒波を乗り越えて、ひたすらゴールを目指すだけだ。(マレーシア・クアラルンプール/今岡涼太)