2015年 全米プロゴルフ選手権

岩田寛はイワタ節 メジャー記録「63」達成も「興味がない」

2015/08/15 11:54
8番ではバンカーから直接カップイン!4大メジャー記録「63」をマークした岩田寛

初出場となる「全米プロゴルフ選手権」の大舞台で、岩田寛がメジャー史に残る記録を打ち立てた。123位から出たウィスリングストレイツ(パー72)での2日目を1イーグル、8バーディ、1ボギーでプレーし、海外4大メジャーの18ホール最少ストロークタイ「63」を記録する25人目(27例目)の達成者に。順位も予選通過圏外から首位と5打差の暫定15位に上げ、上位争いに名乗りを上げた。

日本人が海外メジャーで「63」を記録したのは、1980年の「全英オープン」(ミュアフィールド/パー71)3日目にマークした青木功に次いで2人目。米国メジャー初出場者の「63」は、1995年「全米プロ」(リビエラCC/パー71)初日のマイケル・ブラッドリーに続き2人目となる。

現地では、ホールアウト後に公式会見場に招かれる注目ぶり。そんな周囲の喧騒をよそに「1日だけのことなので、記録には正直あまり興味がない」と、本人はいたって冷静だ。「良いことも悪いことも、切り替えて明日に臨みたい」。その表情には笑みも高ぶりもなかった。

スタート前の練習では「調子は良くなかった」という。前日は左への曲がりに苦心し、夜8時ごろまで打ち込んだ1Wは、1発も打たないままティグラウンドへ。「ダメもとで打った」という最初の1番、2番では1Wでフェアウェイに運んだが、4番では左の湖岸近く、5番(パー5)も左ラフに曲げて「心が折れそうになった」と振り返る。

しかし、その4番で、グリーン奥のカラーから6mをパターで決めて2つ目のバーディ。5番も4オン1パットのパーで収め、ピンチの回避をその後の急加速につなげた。

8番では、グリーン左ガードバンカーからの3打目が直接カップイン。後半11番(パー5)では225ydの2打目を3Iで2オンさせ、右奥7mを決めてイーグルを奪う。9番から手応えを取り戻した1Wとともに、ショットの冴えは増していく。その後も4つのバーディを重ねると、17番(パー3)ではピン奥1.5mにからめて8つ目。最難関の18番も3オン1パットのパーとし、「63」の大記録を完結させた。

初日と比べて実に14ストローク少ないラウンドで、驚異的なカムバック。ちなみに初日の「77」は、海外メジャーで「63」をマークした前日の最多ストロークという、ちょっぴりの不名誉も加えることになった。(ウィスコンシン州シボイガン/塚田達也)

■海外4大メジャー最少ストローク「63」達成者

大会名選手名年度
マスターズニック・プライス1986年/オーガスタナショナル/3R
グレッグ・ノーマン1996年/オーガスタナショナル/1R
全米オープンジョニー・ミラー1973年/オークモントCC/FR
ジャック・ニクラス1980年/バルタスロール/1R
トム・ウェイスコフ1980年/バルタスロール/1R
ビジェイ・シン2003年/オリンピアフィールズCC/2R
ジャスティン・トーマス2017年/エリンヒルズ/3R
全英オープンマーク・ヘイエス1977年/ターンベリー/2R
青木功1980年/ミュアフィールド/3R
グレッグ・ノーマン1986年/ターンベリー/2R
ポール・ブロードハースト1990年/セントアンドリュース/3R
ジョディ・マッド1991年/バークデール/FR
ニック・ファルド1993年/セントジョージズ/FR
ペイン・スチュワート1993年/セントジョージズ/FR
ロリー・マキロイ2010年/セントアンドリュース/1R
フィル・ミケルソン2016年/ロイヤルトゥルーンGC/1R
ヘンリック・ステンソン2016年/ロイヤルトゥルーンGC/FR
全米プロブルース・クランプトン1975年/ファイヤーストーンCC/2R
レイモンド・フロイド1982年/サザンヒルズCC/1R
ゲーリー・プレーヤー1984年/ショールクリークCC/2R
ビジェイ・シン1993年/インバーネスC/2R
マイケル・ブラッドリー1993年/インバーネスC/1R
ブラッド・ファクソン1995年/リビエラCC/4R
ホセ・マリア・オラサバル2000年/バルハラGC/3R
マーク・オメーラ2001年/アトランタAC/2R
トーマス・ビヨーン2005年/バルタスロール/3R
タイガー・ウッズ2007年/サザンヒルズCC/2R
スティーブ・ストリッカー2011年/アトランタAC/1R
ジェイソン・ダフナー2013年/オークヒルCC/2R
岩田寛2015年/ウィスリングストレイツ/2R
ロバート・ストレブ2016年/バルタスロールGC/2R

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