石川遼、V逸も来季出場権へ前進 「確定」目指し8連戦目へ
米国男子「クイッケンローンズ・ナショナル」最終日を8位から出た石川遼は、2バーディ、2ボギーの「71」(パー71)と伸ばせず、通算11アンダーの10位でフィニッシュ。優勝スコアには7打届かず、米国ツアー初タイトルはかなわなかった。
「プレッシャーもすごくあった。今日が一番攻めにくいところにピンが切ってあって、もう少し近くにつけたかったというのもある。力不足です」
3打差逆転へ、追撃態勢を整えたかったフロントナイン。5番(パー5)で5mを決めてバーディを先行させ、続く6番もフェアウェイから4mのチャンスを作る。「良い流れ、良い集中力で来ていて打ったパットだった」という1打は惜しくもカップの右に逸れ、天を仰いだ。
1つしか伸ばせないまま、首位とは4打差に離されてハーフターンした。「後半はすごく難しく感じた」というコースを相手に足踏みは続いた。14番(パー5)では、226ydの2打目を3Iでピン右7mに乗せて観衆を沸かせたが、「良かったな、と思うのはあの2打目くらい」。後半のバーディも、イーグルパットを外して悔しそうに返しを入れた、この1ホールにとどまった。
2日目には、米ツアーで初めて単独首位に立った大会。優勝争いに敗れはしたが、渦中にいる来季シード争いでは確かな前進を遂げた。今週を前にフェデックスカップポイントランク140位、賞金ランク130位だった順位は、75ポイントを加算したフェデックスが125位、18万900ドル(約2242万円)を加算した賞金が109位へとそれぞれ上昇。どちらかのランクで「125位以上」が条件となる来季出場権の圏内に食い込んだ。
「トップ10に入るのも難しいことだし、初日に良いスタートを生かせたのは確か。そこからの54ホールはずっと粘りだったけど、それでも、なんでもいい」。優勝争いに敗れた悔しさと同時に、来季シードへのひたむきな気持ちを言葉にした。
とはいえ、賞金で来季出場権には大きく前進したものの、まだ確定には至っていない。プレーオフシリーズ(全4試合)出場には、フェデックスランク125位以内が必要だ。「来週も頑張ります」と、石川にとって未知の8連戦目「バラクーダ選手権」への出場を迷いなく明言した。
現時点で石川が出場資格を持つのは、バラクーダ選手権と最終戦「ウィンダム選手権」の2試合のみ。まずは次週、世界の強豪が集う「WGCブリヂストンインビテーショナル」の“裏開催”競技で、希望を確証に変えたい。(バージニア州ガインズビル/塚田達也)