チャンスメークは「今季最多」 石川遼6連戦敢行へ
首位との6打差を追って最終日をスタートした石川遼は、グリーン上でストレスの溜まる展開となり、3バーディ(1ボギー)止まり。今季初となる4日連続の60台だったが、首位とは10打差に開き、通算9アンダーで23位タイに終わった。
上位進出を狙った「全英オープン」の“裏開催大会”。ショットの調子が安定していたこの日の石川遼は自ら「今シーズンでは一番バーディチャンスが多かった」と言うほど、次々にチャンスメークした。前半9ホールはほぼパーオンに成功し、2番で2m、3番で約2.5m、4番で4m、5番(パー5)は2m弱、7番で5m弱、9番は1.5mのバーディトライにつけた。
だが、ライン読みに苦しみ続けていたバミューダ芝のグリーンが立ちはだかる。「グリーン上でボールが芝目に持っていかれた感じ。全体的な距離感は良かったが、ラインになかなか乗ってくれなかったり、途中でラインから外れたのが多かった」と最終日も攻略しきれず、決まったのは9番の1つだけ。大きな波に乗り損ねた。
後半の2バーディも、13番(パー5)が2オン成功からの2パット、16番(パー5)は2オン狙いからの“寄せワン”バーディだった。4mが入らなかった最終18番が象徴するように、チャンスの数が多かっただけにパッティングのブレーキが目立った。
「グリーンは来週も変わる」と対応しきれなかったライン読みについて割り切った様子の石川は、「チャンスを逃すラウンドで、かなりメンタル的に難しいラウンドだったが、しっかり粘ることができた」と好材料を見出した。
「昨日、今日と安心して振れた」というショットの手応えは、次戦以降に大きな収穫で、表情には清々しささえ漂った。チャンスメークした数に、「自分の思った通りの体が動かせて、クラブのヘッドまでが自分の体の一部のように打てたショットがいくつかあった」と、感覚が伴ってきた。
「PGAツアーでは、どうしてもショットの精度が要求されるコースが多い。飛ぶ選手、飛ばない選手、どちらも同じ。そこの部分で一番苦しんできたが、今回はショットが、今シーズンの中では一番良かった」
シーズン途中でのスイング改造は間に合ったのか? 今週の結果としては、フィールドの薄かった裏開催大会で、来季出場権につながる賞金、フェデックスカップポイントともに大きな積み上げはできなかった。シーズン終了時点でどちらかが125位に入る必要があり、次週は「全米オープン」から6週連続出場の強行日程で「RBCカナディアンオープン」に出場予定だ。